波紋

一人の人間をめぐって様々な人間関係が引き起こす波紋の様子を描いている

思いつくままに   「ジジババトリオ突然の解散」

2015-03-15 10:55:35 | Weblog
トリオのジジがいつものようにふらりと夕方ババの家を訪ねた。何十年と続いている習慣で一日のうち一回ばばの顔を見て癒されることを習慣としていたからだ。
然し、その日は足の悪いばばが顔を出さない。何か億で仕事でもしているのだろうと断りも無く、あがっていくと台所の冷蔵庫の前で倒れているババを発見した。慌てて隣の元看護師の奥さんに来てもらって心臓ばっサージをしたがすでに冷たくなって硬直が始まっていた。恐らく突然の発作で何も出来ず、誰にも知られずに息を引き取ったと思われる。
第一発見者のジジが救急車を呼び警察にも報告し、家族も集まってきたが、すでに手遅れで検死を待つのみとなった。
まったくの突然の死に接して驚きと信じられない思いであった。何しろその前日の午後訪問してお茶をしながら楽しく話をしたばっかりだった。4月になったら花見をお弁当を持って楽しもうと決めてスケジュール表にその日をメモしていたのがいんしょうてきだった・何によらず、几帳面でまめであり、最近は忘れっぽくなってといいつつすぐメモをするのが習慣だった。特に楽しい事を書いているときの嬉しそうな顔が印象的だった。
一週間に二三度は電話で呼び出され、味噌汁が出来たから、煮物が出来たからと電話で呼び出されなべとタッぱをもって来なさいと呼ばれて一人身の私のことをきにかけてくれていたばばである。そしてこちらから訪問を告げると「待ってまーす」とまるで子供のように無邪気に嬉しそうに返事をして好物の「缶ビール」をお土産に持っていくと大事そうに冷蔵庫に終いにいく姿が忘れられない。
話は20年近く五人の町会長に仕え、民生委員を10年してきた話を何回聞いたことだろう。
そしてその話の根幹には必ず、「一歩下がって」の謙虚な姿勢があり、私は話を聞くたびに世の中の大事なことを学ばされていた。
昨年9月に10年の間施設に入っていたご主人の世話を終わり(脳梗塞から老衰で死亡)
その後片付けを少しづつして、それも一段落し、最近は「私、これから未亡人になったの」と年甲斐も無くいって周りを煙に巻いて大笑いを誘いジョークを飛ばしていたばばである。そんなばばがあっけなく天国へ行ってしまった。検死の結果は「心筋梗塞」であったが、真にあっけないすがすがしい最後であった。
わずか3年ほどのトリオの会もこれで最後になってしまった。