波紋

一人の人間をめぐって様々な人間関係が引き起こす波紋の様子を描いている

思い付くままに  「集中豪雨と新幹線」

2013-09-16 06:02:56 | Weblog
過日10数年ぶりに所用で姫路まで行くことになった。東京駅で手土産の買い物をして、現役のころ出張で出かけるとき、良く買った「牛めし」弁当を探してみた。一頃この弁当が人気で、買いたいときに「売り切れ」になることが多く、悔しい思いをしたが、今回は買うことが出来た。定時にスタートした列車は順調に走り、名古屋を通過したころ弁当を開けた。昔は大きく薄く柔らかい肉が白飯の上に一面に載っていて口に入れると肉の香りがしてその柔らかな噛み味がマッチして、何とも言えない食感を十分に味わえたのだが、やはり時を経て、その中身も変わったようで牛肉も昔に比べて固く、筋っぽい感じで味も大味であった。しかしその弁当を食べながら当時のことを思い出すには充分であった。
要務を終えて会社を出るころから土砂降りの雨になっていて、何となく悪い予感を覚えながら駅まで行くと、案の定ダイヤは大幅の遅れである。取りあえず姫路駅に停車中の新幹線に乗ってはみたが、一向に走る気配はない。
時間は午後の3時過ぎであったが、それから西明石、新神戸とノロノロ運転となり、新大阪でこの列車は運転中止、東京へは乗り換えて大阪までの折り返しの列車に乗り継ぐことになる。ホームには乗客があふれ、いつ来るともわからない列車を待っている。
ようやくのことで乗った列車は午後の6時ごろ大阪をようやく発車、雨が小降りになったこともあってそのまま新横浜まで定時で走った。これでいけば9時ごろまでには東京へ着くとほっとしていたら、品川駅で止まったまま一向に動かない。
東京駅へ入線の列車が数珠つなぎになっていて、いつ順番が来るかわからないので、ここで山手線への乗り換えを勧めますとのアナウンスである。
しょうがないので降りたものの、特急券の払い戻しの清算所は長蛇の列でこれまた何時までかかるかわからない。あわてて後日の清算の証明書をもらい、上野駅へ、この時すでに午後10時を過ぎていた。
そして自宅へたどり着いたのは11時過ぎと言うことで、定時なら7時ごろには家に着く予定が4時間も延着と言う、まさに綱渡りの一日で「行きはヨイヨイ、帰りは恐い」を字で言った一日となった。
もう二度とすることはないと思われる貴重な経験であったと思うと同時に、雨に弱い新幹線であることと、最近の天候不順を身をもってした経験であった。
途中で一泊も考えたり、夕食のこともよぎったが、それどころではなく、帰ることだけで夢中だった。