「どうしたの、早く帰らないとお母さんが心配しているよ」もぞもぞと帰ろうとしないゆきえちゃんに声をかけた。「何か先生に話したいことでもあるの」すると
ゆきえちゃんは大きく頷いた。「お兄ちゃんが先生に聞きたいことがあるんだって、それで先生にそのことを聞いて来いって言われたの」「そうか、お兄ちゃんは何年生なの」「お兄ちゃんは大学生よ」「大学生か、分った。じゃあ帰ったらお兄ちゃんにいつでも良いからいらっしゃいとと言ってね。」「うん、先生ありがとう」そういうと、ゆきえちゃんは駆け出すように帰って行った。
オヨナさんは子供たちのいなくなった部屋を見回し片づけを始めた。
しかし、元来オヨナさんは掃除、洗濯、炊事、片付けは大の苦手であった。
ともすると、食事は食べないでいることも間々あるし、着替えも何日も同じものを着ていても気にならなかった。掃除も部屋のあちこちに埃の玉が見えていてもそれを取り上げようとすることは無かった。
「ものぐさ」と言うか、、「面倒くさがりや」なのか、それでいて、出掛ける時は結構おしゃれをして気取って用意をするのだが、
そんなオヨナさんを近所の町会の世話役が見かねて「オヨナさん、男が一人じゃ何かと不便でしょう。近所にとても世話好きで、仕事の出来る婦人がいるので、紹介しましょう。是非、お世話になったら良いですよ」と薦められた。その婦人は病気がちなご主人を介護しながら暮らしている人だったがとてもきれい好きで仕事の出来る人で評判が良かった。特に食事には人一倍注意を払って作るので、安心できた。婦人のいないときにも、あれこれ指示があり、それをきちんと守っていないと後で注意があり、オヨナさんもこれには少し参っているが、その真心を理解していたので二人は会うといつもニコニコと話し合うことが出来た。
数日後、いつものように「瞑想」を済ませたオヨナさんが音楽を聴きながら本を読んでいると、玄関から声が聞こえた。出てみると一人の青年が立っている。
「オヨナ先生ですか。」「はい、そうですけど」
「僕は幸恵の兄の松下です。先生にお聞きしたいことがあって伺いました。」
オヨナさんは部屋へ通すと、早速例のお茶を薦めた。
「いただきます」勢い良くぐっと一口飲んだ青年は急に顔をしかめた。
「大丈夫、だいじょうぶ、これは元気になるお茶だから」慌てて。説明したがそのお茶はその青年が帰るまで、そのままだった。
ゆきえちゃんは大きく頷いた。「お兄ちゃんが先生に聞きたいことがあるんだって、それで先生にそのことを聞いて来いって言われたの」「そうか、お兄ちゃんは何年生なの」「お兄ちゃんは大学生よ」「大学生か、分った。じゃあ帰ったらお兄ちゃんにいつでも良いからいらっしゃいとと言ってね。」「うん、先生ありがとう」そういうと、ゆきえちゃんは駆け出すように帰って行った。
オヨナさんは子供たちのいなくなった部屋を見回し片づけを始めた。
しかし、元来オヨナさんは掃除、洗濯、炊事、片付けは大の苦手であった。
ともすると、食事は食べないでいることも間々あるし、着替えも何日も同じものを着ていても気にならなかった。掃除も部屋のあちこちに埃の玉が見えていてもそれを取り上げようとすることは無かった。
「ものぐさ」と言うか、、「面倒くさがりや」なのか、それでいて、出掛ける時は結構おしゃれをして気取って用意をするのだが、
そんなオヨナさんを近所の町会の世話役が見かねて「オヨナさん、男が一人じゃ何かと不便でしょう。近所にとても世話好きで、仕事の出来る婦人がいるので、紹介しましょう。是非、お世話になったら良いですよ」と薦められた。その婦人は病気がちなご主人を介護しながら暮らしている人だったがとてもきれい好きで仕事の出来る人で評判が良かった。特に食事には人一倍注意を払って作るので、安心できた。婦人のいないときにも、あれこれ指示があり、それをきちんと守っていないと後で注意があり、オヨナさんもこれには少し参っているが、その真心を理解していたので二人は会うといつもニコニコと話し合うことが出来た。
数日後、いつものように「瞑想」を済ませたオヨナさんが音楽を聴きながら本を読んでいると、玄関から声が聞こえた。出てみると一人の青年が立っている。
「オヨナ先生ですか。」「はい、そうですけど」
「僕は幸恵の兄の松下です。先生にお聞きしたいことがあって伺いました。」
オヨナさんは部屋へ通すと、早速例のお茶を薦めた。
「いただきます」勢い良くぐっと一口飲んだ青年は急に顔をしかめた。
「大丈夫、だいじょうぶ、これは元気になるお茶だから」慌てて。説明したがそのお茶はその青年が帰るまで、そのままだった。