『黒狗』の小屋

毎週、(金)に特撮作品の感想、(日)に漫画の感想を書いてます。

三大特撮感想(2023/10/1分)

2023-10-06 20:23:16 | 日記

ウルトラマンブレーザー

第6話「侵略のオーロラ」は、SKaRDのメカニック担当であるヤスノブにスポットライトが当たったストーリーになっていましたね。今回、彼に対する好感度が、グッと上がったのは、きっと、私だけじゃないはずです。

前々から、何となしに感じちゃいましたが、ヤスノブ、案の定、ヒロイン陣に仕事をそれとなく、押し付けられていましたね。もちろん、エミ、アンリに悪気はないんでしょう。ヤスノブの事を、ちょっと強めに頼めば自分の言う事を笑顔で聞いてくれる弟、アンリの方は懸命に縋り、甘えた動作を見せれば、しゃあなしの雰囲気を出しながら引き受けてくれる兄、みたいに思ってるのかもしれません。こう言っちゃうのも可哀想ですが、ヤスノブも、時には、優先事項が低い、または、自分でやらせるべき事には、ちゃんと、Noを突きつけなきゃ。ヒロインたちの圧に押し流されるままに、仕事を引き受けて、しかも、質の良さを求めるから、疲労が仕事に影響が出るレベルで溜まっちゃうんだ。

半ば強引に休息を取らされたヤスノブ。基本的に、仕事人間の気質なのか、家でゆったり過ごしたり、どこか遊びに行く事に抵抗があるのか、彼は近所のコインランドリーで溜まっていた洗濯物を片付ける事に。そこで、彼の妙な秘密が明らかに。まさか、そのコインランドリーの乾燥機に、「クルル」と名前を付け、愛で、愚痴を聞いて貰っていたとは。しかも、タイミング悪く、見舞いに来たゲントに、それを見られてしまうとは。羞恥心に悶えまくるヤスノブ、彼に更なるピンチが。ここで、まさか、良からぬ企みを進めていた宇宙人が接触してくるとは。カナン星人・ハービーは、戦争で荒れ果てた母性に見切りをつけ、機械を操る光線で地球の侵略を企てていた。しかも、その侵略作戦に、アースガロンと、アースガロンの性能を引き出すセンスを持ったヤスノブを引き抜きに来るとは、ある意味、有能だ。

SKaRDのメンバーに思う所がない、と言ったら、嘘になってしまうものの、裏切る意思など微塵もないヤスノブ。彼は、その場から失望を露わにして立ち去ったハービーを追うべく、ハービーに光線を撃ち込まれたクルルに、懇願する。光線の効果が切れておらず、また、クルルも何だかんだで、自分に愛着を持ってくれているヤスノブにプラスの感情を持っていたようで、彼をハービーの元へ送り届けるゲートを開いてくれた。やっぱり、人間、普段から、物を大事にしておくってのは良い事なんでしょうね。実際、こんだけ、年季の入っている店に置かれている乾燥機なら、付喪神に変じていても、何ら不思議じゃないしな。クルルのおかげで、ハービーが作戦を進めている基地への潜入に成功したヤスノブは、見事な射撃で、片割れを倒すも、その一瞬で、ハービーに背後へ回り込まれ、またしても、窮地に陥ってしまう。そんなヤスノブを嘲笑うように、ハービーはコントロール権を奪ったアースガロンに、SKaRDのメンバーが襲われている様を見せつける。

仲間を救うべく、囮となったゲントはウルトラマンブレーザーに変身し、操られているアースガロンを止めるべく、立ち向かう。しかし、相手は、機械製の猛竜。しかも、今は遠隔操作状態で、パイロットを騎乗させていない状態。メカのボディに痛覚はないから、ブレーザーの攻撃を受けても、何ら怯まない。パイロットが衝撃で気絶すれば、動きも止まるだろうが、今回はそれもない。どうにもこうにもならず、防戦一辺倒に追い込まれるブレーザー。そんな時、流れ弾で、風力発電基地の一部がぶっ壊れ、ヤスノブが高所から落下してしまう。慌てて、ヤスノブの救出に向かうブレーザー。だが、すんでのところで、ヤスノブを掌で受け止めたのは、操られているはずのアースガロン。しかも、ヤスノブを助けたと同時に、アースガロンをハービーは操れなくなってしまった。これは、アースガロンとヤスノブの間に確かな友情があるからかも知れないし、ヤスノブがエミに頼まれていたジャミング機能付きの腕時計をたまたま、持っていたからかも知れない。個人的には、前者であってほしいですが。ともあれ、大事な仲間を危険に晒し、また、操ったハービーを、ゲントは許さない。まさか、スパイラルブレードじゃなく、ブレーザーの胴部が螺旋状になるとは思わず、「お前が捻じれるんかい?!」と浅いツッコミを入れてしまった自分が情けない。ただ、今回、何が一番、ビックリさせられたかって、ブレーザーのそこじゃなく、ヤスノブのバッキバッキな肉体。梶原さん、ガチで仕上げてるやん・・・

 

王様戦隊キングオージャー

第31話「二千年の愛」、もう、これは涙無しには観られませんでしたね。極端な言い方をすれば、これで泣かなかったら、人の心がないのか、って感じでした。もう、完全に、子供を置き去りにしているけど、ここまで振り切っているからこそ、『王様戦隊キングオージャー』は文句なしに面白い。

静謐を堪能し、己の死を望み、骸を蘇らせる能力者であるグローディーと一触即発の状態に割り込んできたのは、ジェラミーの母・ネフィラだった。二千年前に死んだはずの母に抱擁され、動揺を隠せないジェラミー。しかし、そんな母と子を引き裂くのが、ダグデド。お前らは仲違いし、バラバラになり、一人で死んでいく、と不気味な予言をかまし、ダグデドはその場から転移する。とことん、人の絆を見下している野郎だな。まぁ、その驕りが致命的になったんだが。

あれほどまでに苦戦したダイゴーグを、単騎で倒した相手が、しかも、巨大化して、シュゴッダムを襲撃して来たら、ゴッドキングオージャーでなければ、互角に戦えない。その為には、母とは戦えない、と闘志を失っているジェラミーを強引にでも戦わせるしかない、とヤンマは彼を「マザコンダヌキ」と煽り、決闘裁判を仕掛ける。シュゴッダムも守りたいが、ジェラミーの気持ちにも理解が示せるギラは、どうにか、仲裁に入ろうとするが、二人を止められるはずがない。中立と公平を大事とするリタに、二人を止めて貰いたいギラだが、リタはヒメノの策にまんまと嵌ってしまい、檻の仲に。カグラギはカグラギで、民を想うのであれば、ダグデドに取り入るべきだ、と本気で言っているのか、判断しかねる意志を示し、宇宙との交信を図っていた。

いつも以上に、我が強すぎる王様たちを止められず、意気消沈するギラを嘲笑するダグデド。しかし、そんなダグデドの鼻が、次の瞬間に、ボッキリと折られる事に。実は、これまでの流れは、全て、ダグデドを騙すための作戦だったのだ。ダグデドが自分たちが仲違いするのをコメディ扱いして見ているからこそ、綿密な作戦は立てられない。だからこそ、お互いにアドリブで、ダグデドを騙し、真相を明かす、この一瞬まで演技を続けたのだ。ギラに、この作戦に加担させなかったのは、彼にそんな演技が出来ないから、なおかつ、彼の必死さが逆にダグデドを騙すのに有効だったから。見事、ジェラミーとバグナラクが無実であり、真の黒幕がダグデドである事を、全国に放送した王様たち。形勢逆転となり、邪悪の王らしく大笑いするギラに対し、煽り耐性が低すぎるダグデドは押し黙ってしまい、「つまらん」とだけ言い残して、その場から逃げるように姿を消す。

爽快感に浸っている暇はなく、キングオージャーたちはゴッドキングオージャーを召喚し、巨大化しているネフィラに立ち向かう。ゴッドキングオージャーすら圧倒するネフィラだったけど、不意に、その動きが不自然に止まる。そう、その停止は、ネフィラの中に、ジェラミーに対する母としての愛が確かに残っているから。普段、回りくどい言い方を好み、端的な表現を稚拙と言っているジェラミーが、ただ一言、母へ「愛している」と告げ、彼女を苦しみから解放すべく、最強の必殺技を繰り出し、ネフィラが最期に「ありがとう」と告げたくだりは、もう、泣けちゃいました。改めて、仲間としての絆が強まり、これから、ダグデドと戦い、勝つ、そんな気合が入ったのも束の間、怒りが収まらぬダグデドがやってきて、ギラたちを、どこかへ空間転移させちまった!? どう見ても、これ、日本ッッ

 

仮面ライダーガッチャード

第5話「燃えよ! 斗え! レスラーG」、こちらは『王様戦隊キングオージャー』とは違った泣かし方をしてきましたね。また、改めて、プロレスは素晴らしい、と感じさせてくれるストーリー展開でした。監督や脚本家が、プロレス愛の深い人なのかな。

母が切り盛りする定食屋の手伝いをしながら、ケミーとドライバーを虎視眈々と狙い、えげつない手段で攻撃してくる三姉妹の目的について考える宝太郎。ガッチャンコするケミーのペアの数字が「10」になる、と驚きの真実に気付き、それをりんねに教えるも、りんねは冷淡なリアクション・・・どんまい、宝太郎。そんな宝太郎は、蓮華たちからカマンティスを返してもらい、自身もサスケマルとエナジールを返却する。蓮華と錆丸のペアが今回、カマンティスの助力を受け、封印してきたのは、ゲンゲンチョウチョ、バレットバーン、ヒーケスキュー、バクオンゼミ、ドクターコゾー、フレイローズ。この二人、相当に優秀!? 宝太郎に純粋なリスペクトを向けられ、良い気分になった蓮華たちは、彼とりんねを連れ、ケミー探索へ。

鋭い勘を持つ蓮華に先導され、向かったのは、とあるプロレス道場。そこは、質の悪いヤクザに地上げされそうになっており、オーナーである旭さんは、その脅しを幾度も突っ撥ねていたようだ・・・・・・今時、こんな実力行使に出るヤクザはいない訳だが、まぁ、そこはね、話の展開的にスムーズさ重視ってことで。旭さんのプロレス愛と呼応し、レスラーのソフビ人形に憑依していたケミー・レスラーGが、ヤクザたちをコテンパンにするも、その程度で退いてちゃ、ヤクザとしちゃやっていけない。頭に血が上ったヤクザたちは拳銃を抜く。こうなったら、やるしかない。宝太郎は、ドライバーへゲンゲンチョウチョとバレットバーンをセット。バレットチョウチョワイルドに変形したガッチャードを、りんねが撃って、ヤクザたちに幻想を見せる事で、その場から追いやる事に成功・・・・・・地味におっかねぇ攻撃だぜ。

一騒動が収まって安心する間もなく、今度は、クロトーに目を付けられた、暴力的なプロレスラー・ゴーレム剛力が襲来。己こそが最強、と荒ぶる剛力。描写こそなかったけど、クロトーに負かされた上で、更なる力が欲しいか、と聞かれ、望んだ事でゴリラセンセイを取り込んだ可能性もあるな。ゴリラマルガムに対し、スチームホッパーで応戦するガッチャードだけど、パワー特化型のゴリラマルガムとは相性が悪い。バランスが良い基本フォームは、相手が極端に一点特化しているタイプだと、勝てなくなっちゃうんだよな。剛力の必殺技である風車式バックブリーカーをモロに喰らい、大ダメージを負ってしまった宝太郎だけど、旭さんから強引にレスラーGを没収しようとするスパナに対し、敢然とした態度でNOを突きつける。そんな宝太郎に触発され、蓮華と錆丸、そして、りんねもスパナを阻むように立ちはだかる。実力行使に出れば、この4人くらい圧倒できただろうが、スパナはすんなりと回収を諦めた。何だかんだで、悪くない奴なのかも・・・

ゴリラセンセイを助けるためにも、剛力に勝つしかない。その為には、剛力の必殺技である風車式バックブリーカーを攻略する、それしかなかった。元々、自分も覆面レスラーだった旭さんは、技の破り方を知っているらしい。剛力が、やけに、旭さんに敵愾心を剥き出しにし、ジム潰しに熱くなっているのも、その辺りが原因か? 宝太郎に、技の破り方を教えて欲しい、と請われるも、己の肉体の衰えを誰よりも自覚している旭さんは、伝授できない事を悔しがる。そんな旭さんを助けるべく、レスラーGが彼に憑依し、全盛期の体へ一時的に戻してくれた。悪意のない人間に憑依したケミーの力を知り、宝太郎はテンションが更に上がる。ゴリラマルガムとの戦いで負ったダメージもあるだろうに、必死に努力する宝太郎の熱を受け、エールを送る蓮華と錆丸。もちろん、宝太郎の健闘する姿は、りんねの心も打ったようで、彼女の口からも「頑張れ」の言葉が。ツンケンしていたヒロインが、愚直に頑張る主人公に対し、少しずつ心を開いていく、そこがグッと来る。

そして、ゴングが鳴らされ、仮面ライダーガッチャード アントレスラーvsゴリラマルガムの戦いが始まるッッ 蟻の小さな体に見合わぬほどのパワーと、レスラーの俊敏さと強靭さが相まったフォームであるアントレスラーは、パワー超特化のゴリラマルガムに対しても、互角以上の戦いを繰り広げる。しかも、自慢の必殺技を、ガッチャードに破られてしまったものだから、剛力はパニックに陥ってしまう。どんだけ強力な技であっても、出し時を間違えてしまえば、弱いもんだ。天性の戦闘センスを持つ宝太郎だからこそ、風車式バックブリーカーを、こうも綺麗に返せたんだろう。そんな宝太郎の戦いの熱を浴びた旭さんも、リングへ突入し、ガッチャードとタッグに。強烈なクロスボンバーが、ゴリラマルガムに極まった!! 勝負の決め時は、ここだ、と直感したガッチャードは、アントレスラーフィーバーを直撃させ、見事、剛力とゴリラセンセイの分離に成功した。戦いに勝ちはしたものの、ケミーと関わった者の記憶は消さねばならない。この掟だけは、どうあっても破れない。友情を引き裂く事に罪悪感を抱いてしまう宝太郎を励ますように、明るく笑う旭さん。そんな旭さんが、レスラーGを厳しく突き放し、その上で、心からの感謝を告げるシーン、もう、ここは泣けましたね。きっと、旭さんは、ジムに入って、扉を閉めた後、すぐさま、その場で男泣きしたんでしょうね。そこを、あえて描かないのが、これまた、良いんですよ!!

 


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