光と闇の境界線をゆく

2012-01-16 06:01:11 | 鳥(Birds)


マガン(Anser albifrons frontalis) Greater White-fronted Goose



年の初めの2012年1月3日。
年末年始の帰省の際には毎回行くことにしている伊豆沼へ、今シーズンもまた友人とともに訪れた。

例のごとく、凍える体に鞭を打って夜明け前から沼の縁にたたずむ私と友人。
容赦なく吹き付ける寒風に、カイロを忘れてきたことを私が嘆き始めた頃、時計の針が夜明け時刻を指した。
するとその瞬間、起動タイマーでも付いていたかのように無数のマガンたちが一斉に飛び立ち、昇り始めた朝日によって橙色に染め上げられた空へと拡散したのだ。
東の空は朝色のオレンジをしているけれど、西の空はまだ夜色である深青を呈している。
空を埋め尽くす無数のマガンの群れは、まるで別世界みたいに塗り分けられたこの2つの空をあっと言う間に貫いて、羽音・声とともに北西の暗い丘の向こうへ飛び去った。
伊豆沼で見る雁の飛び立ちは、何度見ても腰を抜かしそうになるくらいにすごい迫力だ。


















オナガガモ(Anas acuta acuta) Northern Pintail


朝日に照らされ、眩しそうな顔をするオナガガモ。
飛び立ちを見た場所からちょうど沼の対面にあたる岸から見ると、沼に張った氷の上でヒシクイが寝ていた。
今シーズンの東北(太平洋側)は、例年に比べて雪は少ないけれど、寒さは例年以上だ。ここ伊豆沼の湖面も、いつも以上に氷に覆われていた。



【2012/01/03/宮城 Miyagi,Japan/Jan.2012】


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5 コメント

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Unknown (みき)
2012-01-16 10:05:52
すばらしい。どれもいい写真…
ちょっと感動してしまったので、思わずコメントです。
毎年伊豆沼の雁行を見られるのはうらやましい。
写真見ただけで胸が熱くなるよ。
なかなか叶わなくなってしまったけど、また行きたいなぁ…

今年もよろしく、一度くらい会う機会があるといいですなー(^^)
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遅ればせながら、 (タロ)
2012-01-16 20:28:08
>めけて先輩

あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いしますです。

伊豆沼、大学時代に何度も行かれた場所だけに、思い入れが深い沼ですよね。
しんや先輩などから、めけて先輩の代の伊豆沼合宿のお話を少し聞いたことがあります。

また行く機会がありましたら、沼の西の端から雁行を見るのもオススメです(写真)。
前沼のある新田方面から見る時と違って逆光なので、雁行の際に珍ガンを見つけるのは難しくなりますが、その代わり晴れの日には日の出と頭上を通過する雁行が同時に見られますよ。

そういえば、先輩のブログでのフランス紀行を楽しく読ませていただきました!
僕は未踏の地のヨーロッパですが、ホシムクやヨロコマが街角にいるなんて、まったくもって素晴らしいですね。
先輩のヤシカでの写真が本当に良い味を出していて、オシャレな国の一部をオシャレそのままに切り取るな~と。
個人的には「モンサンのお土産通りにいるイエスズメ」の写真がお気に入りです!コンデジでもデジイチでも(?)撮れない雰囲気が素敵だなと。なんか普通にナショジオに載ってそうな感じの写真ですね。

あ、これは先輩のサイトにコメントすべき内容でしたね。
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おおお (ニガリ)
2012-01-17 03:28:38
これは素晴らしい写真ですね!

来年の年賀状はこれでいいんじゃないの!?

しかし、しんしんとした寒さも伝わってきます。
でも撮影中は寒さを忘れていたことでしょうね♪

伊豆沼、もう何年も行ってないなあ~
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Unknown (みき)
2012-01-17 13:05:56
わーフランス紀行への感想までありがとう!
ていうか案の定ちょろっと書いて終わってしまったよ…長期旅行記ちゃんと書くタロくんを見習わねばですな。
観光地での鳥の出会いはあまり期待してなかったんだけど、案外愛想良く出てきてくれて楽しかったよ。野鳥的にはイギリスのほうがよさそうだけど、とにかくヨーロッパもなかなか素敵でした。いつか行ってみて!
モンサンイエスズメは私もお気に入り(笑)
あのボケ感や色味はなかなかデジタルには出せないかもね。
大好きなカメラです。

伊豆沼の西側、いいね! たぶん場所わかる。
朝日バックのダイナミックな雁行私も一度見てみたい。
次行く時はそこに行ってみるよ♪
おっしゃるとおり、伊豆沼は思い出たくさんの大切な大好きな場所。
なかなか行けないけど、毎年ここで写真を見せてもらえればそれだけでも嬉しいな。

あ、長くなっちゃった。お返事は無用です(笑)
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Unknown (タロ)
2012-01-17 23:30:43
>ニガリさん

お久しぶりです。
遅ればせながら、あけましておめでとうございます!

確かに、雁たちが飛び立つ時は不思議と寒さなど忘れてしまいますね。
しかし雁行が終わって静けさが戻ると、急にまた寒さが思い出されて、サムイサムイと言いながら車に駆け戻ります。
この日はあろうことか、防寒性能の無いコンバースの靴を履いていたもので、しばらく足がじんじん痺れていました。

伊豆沼へ、是非またどうぞ!



>めけて先輩

観光地こそ、鳥が人の往来に慣れていて愛想がいいのかもしれませんね。
地球のどこに行ったって、双眼鏡ひとつあれば観光中でも何種も見れてしまう、っていうのが鳥の良い所だと思います。海外に行くと、特にそう感じますよね。

もし次伊豆沼に行かれる時は、連絡をいただければ色々お話しできると思います!
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