木の実幼稚園のゆかいな仲間たち

愛媛県松山市にある『木の実幼稚園』の先生たちによるBlog

「個」から「和」へ (お遊戯会に寄せて)

2011-12-11 15:35:41 | Weblog

手先足先のかじかみを感じる冬本番といった寒い週末でしたが

2日間にわたるお遊戯会がフィナーレを迎えました。


にぎやかだった園は静かになり、

先ほどから職員室では先生たちが反省会をしています。



生来泣き虫のボクですが、中学に上がる頃にはそれも収まり

それ以後は「泣いたときのこと」をハッキリ思い出せるくらい

泣いたことがありませんでした。


そんなボクですが、お遊戯会の開催期間中に一度だけ涙が出ました。

(バレないよう、すみっこでちょっとだけ。)


どうして涙が出たのか自分でもよくわからないのですが...

先生と子どもが

「褒め、褒められ」「怒り、怒られ」「励まし、励まされ」ながら

毎日真剣に向き合ってきた様子を影から見ていたので

そういうのが全部思い出されたんだと思います。

(うん、きっとそう。)


ステージから 「(ね、うまくできてる?)」と、

問いかけているように目配せしてきた子どもに、

「(大丈夫、ちゃんとできてるよ。)」 と、先生がうなずき返すと

子どもがニコッとして前を向いてダンスを続けていました。


その様子を見ていると、子どもと教諭の間に信頼と絆が育まれているのを感じ

心から嬉しくなりました 


また、

ステージ上で近くの友だちに助け船を出してあげる子どもを何人も見ていると

クラス一丸となってミュージカルを仕上げて来た子どもたちの中に

「困った誰かを助けよう」という心が芽生えているのを感じました。


なんと言うか...

この世に生れてわずか5、6年しか経たない子どもたちが

(きっとまだ無意識のうちに)

むずかしい状況を 「個の力」 だけで打開するのではなく

「和の力」 でなんとかしようとする姿に感激を覚えました 


子どもたちが初めて 「個」 として社会参加し、

一人ひとりの子どもが 「自我」 と 「他我」 の間で揺れながら生活するのが

幼稚園というところのように思います。


その 「個」 である一人ひとりの子どもが、

「和」 というものを育むのが運動会でありお遊戯会だと

子どもから教わりました。



よく言われることではありますが


『幼稚園は単に大切な子ども預かる場所にあらず。

 教え合い育み合う場所である。

 それが教育を預かる幼稚園の生い立ちであり、

 社会から必要とされる存在意義である。』


ということが核心を得た事実であることを、子どもが教えてくれます。



さて、繰り返しとなり少々くどいですが、

それでも改めてお礼を申し上げます。


お遊戯会の準備にご協力をいただいた保護者のみなさま、

徳島はじめはるばる遠方より、また寒い中お越しくださったおじいちゃんやおばあちゃん、

舞台セットの制作に協力してくれたバスの 「おいちゃん」 たち、

子どもたちのためにお時間を割いて下さり本当にありがとうございました。



そして、恐縮ですが一つ贅沢を言わせて下さい。

どうか、無事ミュージカルを終えた「子どもたちと先生たち」に

温かい拍手をお願いできればと思います。


このみくんより


(あぁっ 今日写真がない! カメラどこぉぉ~!)