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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

日本経済を読む 誤った経済政策強行の危険①

2013-08-31 12:58:07 | 経済・産業・中小企業対策など
日本経済を読む 誤った経済政策強行の危険①
消費税増税で大混乱に


東京工科大学教授 工藤昌宏さん

日本経済は、財政支出、異次元金融緩和、成長戦略という「アベノミクス」の3本の矢によって、デフレから抜け出しつつあるかのように宣伝されています。
しかし、実態は全く逆で、日本経済は、依然として停滞し続けています。



「消費税の大増税を許せない」と署名を集める、消費税をなくす会の人たち=7月24日、東京・JR巣鴨駅前

再生裏付けなし
雇用環境は劣悪なまま改善される気配もなく、個人所得も低迷し続け、さらに外国為替相場に翻弄(ほんろう)され、株価も乱高下を繰り返しています。このような状況で、消費税増税などということになれば、デフレからの脱却はおろか、日本経済は大混乱に陥ることになります。
2013年4~6月期のGDP(国内総生産)の成長率(前期比)は、実質でプラス0・6%、名目でプラス0・7%となり、3期連続のプラス成長となりました(速報値)。物価の動向を示すGDPデフレーターも、前期比でわずかプラス0・1%ですが3四半期ぶりのプラスになり、物価の上昇を印象付けました。
ですが、今回のプラス成長も、前の2期のプラス成長と同様に、決して日本経済の再生を裏付けるものではありません。
GDPの各項目を見ると、実質で、政府最終消費支出プラス0・8%、個人消費プラス0・8%、輸出プラス3・0%、設備投資マイナス0・1%、公共事業など公共投資プラス1・8%など、設備投資を除くとプラスを示しています。
けれども、問題は、その中身です。まず堅調だとされる個人消費ですが、賃金が低迷する中で個人消費が伸びているというのは、いかにも奇妙な話で、これは円安による生活物資の価格上昇や消費税増税、住宅ローン金利の上昇をにらんだ駆け込みといった特別な事情によるものと推測されます。
また大きく伸びた公共投資も、復興需要に加えて、景気対策として2月に成立した「緊急経済対策」によるもので、これもいわば特殊な事情によるものです。
さらにプラス成長を支える輸出の増大は、主に米国経済の拡大によるもので、これに円安が追い風となってかさ上げされたものです。
したがって、これも、輸出環境の好転という特殊な事情によるものです。しかも、米国経済の復調と円安の恩恵を受けているのは、一部の輸出大企業だけで、中小企業は大企業からの納入部品価格の引き下げ圧力や円安によるエネルギーコストの増大などで苦しんでいます。

実態はマイナス
つまり、今回のプラス成長は、決して自立的な経済の再生などではなく、まして「アベノミクス」効果によるものではなく、従来どおりの外需拡大を主因とし、そこに消費税増税という特殊な状況、さらにいつものように公共投資といった政府によってつくられた数字を中身としており、これらを差し引くと経済実態は依然としてマイナス成長状態にあると推測されます。このことは、雇用問題に直結する設備投資が6四半期連続でマイナスを記録していることに明白に示されています。
そしてこのように、政府が数字をつくるということは、経済の実態を覆い隠し、国民を欺くばかりでなく、誤った経済政策を正当化し、強行する危険性を持っています。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年8月27日付掲載


>堅調だとされる個人消費ですが、賃金が低迷する中で個人消費が伸びているというのは、いかにも奇妙な話で、これは円安による生活物資の価格上昇や消費税増税、住宅ローン金利の上昇をにらんだ駆け込みといった特別な事情によるものと推測…。
ってのは、いかにも一般庶民の生活実感に沿ったものなのではないでしょうか。
見せかけの景気回復で、消費税増税を決められてはたまったものじゃありません。


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