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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

シリーズ 原発の深層  第五部・やらせの背景⑤ 福島避難者からの声

2011-12-21 23:38:38 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
シリーズ 原発の深層  第五部・やらせの背景⑤ 福島避難者からの声

 「福島原発事故での放射能被害により家族で避難した者です」
 「先日、不本意ながら■から■に避難した■と申します。原発事故の被害を被った者として確認させて下さい」
 こんな文章が、北海道庁に届いたのは今年8月のこと。北海道電力泊原発3号機の営業運転再開を高橋はるみ道知事が許すのか、全国の注目が集まっていたころでした。

賛成1通だけ
 送ったのは、東京電力福島第1原発事故で北海道に避難した福島県民たち。文書は、高橋知事に「本当に再開が必要か議論は十分にしたのか」など、5点の確認を求めています。
 家族で避難した1人は「福島県知事がプルサーマルを容認して間もなく原発事故が起こり、あれほど安全だと言っていたにも関わらずとんでもない被害を及ぼし、何の恩恵も受けていない上に真面目に働いて税金を納めてきた私たちに対し、何の保障もありません。日本でこのような扱いを受ける事になるとは」と切々とつづっています。
 本紙が情報公開で入手した今年の7月1日から営業運転の再開を了承した8月17日までに道庁に寄せられた原発に関する住民の意見は219通。そのうち、運転再開を求める賛成意見はわずか1通のみ。反対意見が212通(「不明」は6通)となっています。ほとんどは道内に住む個人からとみられます。
 寄せられた意見の圧倒的多数は、営業運転再開に反対。しかし高橋知事は8月17日に再開を容認します。
 同日の会見で、「道民の理解を得られたと思うか」との記者の質問に、高橋知事は「昨日、(道議会の)委員会の傍聴席に来られたほとんどの方々が原発には『絶対反対』というお立場の方々だったと思います」と決めつけたように発言。そこには、謙虚に耳を傾ける姿勢は感じられません。



福島県の避難者から北海道庁に送られたメール(黒塗りは道によるもの)

“世論”は偽物
 そして8月26日、「しんぶん赤旗」がスクープした2008年10月に行われた道主催のシンポジウムでの北海道電力による「やらせ」。
 その後、北電が設置した第三者委員会(委員長、市川茂樹弁護士)の調査で、このシンポに同社は社員など300人の動員を計画していたことが判明しました。会場となった岩内町の・ホールの定員は500人。北電の動員が会場の6割を埋めたことになります。
 当日の会場アンケートでは、51%が「疑問が十分に取り上げられた」などと肯定的な回答となっていました。高橋知事がプルサーマル導入を了承したこの“世論”は偽物だったのです。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2011年12月19日付位掲載


福島県から放射能被害を逃れて遠く北海道まで避難して来た人たち。その人たちをも巻き込んで、泊原発の再稼働を容認する北海道。
被災者の心情を全く無視したものと言っても過言ではありません。

そこで、ふと阪神淡路大震災の時の事を思い出しました。
震災後に日本各地へ旅行した時には「神戸から来た」と言うとねぎらいの言葉をかけてくれましたが、地震災害そのものは自らのものと感じておられませんでした。
その後、鳥取県西部地震、芸予地震、中越地震、中越沖地震など続き、地震災害を国民自らのものとして感じるようになっていきました。

その後の東日本大震災と原発事故です。原発の危険性は福島第一原発の特定の現象ではなく、普遍的なものとの認識が国民的に広まっているのではないでしょうか。

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