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グローバル経済の迷宮 製造業の空洞化③ 電機産業は崩壊過程に

2018-02-24 07:57:49 | 経済・産業・中小企業対策など
グローバル経済の迷宮 製造業の空洞化③ 電機産業は崩壊過程に
名古屋経済大名誉教授 坂本雅子さんに聞く


前回までは、生産の海外移転が日本経済に停滞・後退をもたらしたことを論じました。
では企業にとってはどうか。海外投資に逼進(まいしん)することがグローバル競争での勝利と成長を企業にもたらすのか。最も早くから徹底して海外投資を行った電気機械分野で見てみましょう。
かつて日本の電機各社は半導体や情報機器で世界のトップに立っていました。例えば1990年の半導体生産の世界トップ10には日本企業が6社も入り、上位3社を独占しました。薄型液晶テレビの2005年の世界シェアでも日本企業は41%を占めました。
ところが現在、日本の大手半導体メーカーはルネサスエレクトロニクスだけです。世界のトップ10に唯一残っていた東芝の半導体部門も昨年、米国買収ファンドと韓国企業などの手に落ちました。
アジア企業による日本企業の買収も活発化しています。一昨年にはシャープが丸ごと台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業に買収され、日本人に衝撃を与えました。
パソコンでも、11年に中国のレノポがNECのパソコン部門を実質吸収しました。レノポは今年、富士通パソコン子会社の経営権も握るので、日本国内販売の4割を支配することになります(日本国内では旧ブランド名を使用)。東芝のパソコン部門も昨年末、売却交渉を開始しました。
日本の電機産業は業界全体の崩壊過程に入った観すらあります。




技術が海外流出
こうした電機産業の惨状の根本原因は何か。それは技術流出と一体となって進行したアジアへの生産移転にあったと言わざるを得ません。特にアジア企業に生産を丸投げする委託生産は最悪です。
例えば半導体生産の中心だったシステムLSI(多機能集積回路)でも、日本企業は2000年代に台湾企業に生産を委託する際に技術指導を行いました。カモがネギを背負っていくように台湾企業を教育し、技術を移管したのです。技術力を高めた台湾企業は、世界の企業からの生産請負を加速し、低賃金の中国で生産を拡大して急成長しました。
1990年代に韓国が半導体メモリーのDRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)生産で急成長した背景も同様です。日本が生産を独占していたこの分野で、日本企業は高度技術の塊である半導体製造機械を技術指導と一体で売り込み、高度素材も売り込みました。韓国企業がその後市場を席巻する基礎を築いたのです。パソコンでも、日本企業は2000年代に生産の100%近くを台湾企業に委託するようになりました。委託開始時には日本企業が徹底した技術指導を行いました。

投資競争も負け
テレビなどに使われる最新の有機ELパネルも同様です。もともと日本が開発した技術だったのに、日本企業は早くに生産を放棄しました。数年前から、世界でトップの技術を誇る日本の素材メーカーや製造機械メーカーが韓国に結集し、韓国企業と共同で有機ELの大型パネルの開発を進め、成功したのです。
昨年、東芝、ソニー、パナソニックが相次いで最新の有機ELテレビを新発売しました。ところが使われている大型有機ELパネルは韓国LGディスプレイ社製です。日本の各社はこれを購入し組み立てただけなのです。
日本企業は技術流出と一体になった生産の海外移転や委託生産を繰り返して、技術的に差別化できなくなりました。その上、投資競争にも負けて、電機産業全体からの撤退を余儀なくされていったのです。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2018年2月22日付掲載


もともと日本が開発した技術、LSIやDRAMなどのパソコンや電気機器の部品、液晶テレビのパネル。
安く生産できるからってことでしょうか、海外生産を進めた結果、日本は取り残されてしまいました。
ジャンル:
経済
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