きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

動き出すマイナンバー② 示せないメリット 高い費用 乏しい利便性

2015-10-02 13:54:33 | 予算・税金・消費税・社会保障など
動き出すマイナンバー② 示せないメリット 高い費用 乏しい利便性

政府はマイナンバーについて「行政を効率化し、国民の利便性を高め、公平・公正な社会を実現する社会基盤」と説明。社会保障の手続きを簡略化したり、税の徴収漏れや不正受給の防止に役立つと宣伝しています。

机上の試算で
例えば、年金を申請する場合、いまは市区町村で住民票や所得証明書をもらって年金事務所で手続きします。
今後は、希望者に配布されるマイナンバーの「個人番号カード」を年金事務所で示せば添付書類なしで申請できるようになるとしています(2017年7月から)。しかし、年金の申請といっても生涯にせいぜい一度きりです。
他の制度も、年に数えるほどわずかな手続きのうち所得証明書の添付など一部が省略できるといった程度です。
「行政効果」については「税収増2400億円」と説明しています。しかし、これは番号制導入で“手の空いた”職員1900人が徴収に回り、1人あたり約1・3億円も徴収額が増えるという机上の試算にすぎません。
現場の職員からは「税金を払えない理由の多くは払えるお金もないからです。人を増やせば徴収額がどんどん増えることなどありえない」との声が上がっています。
「不正防止」といっても、番号制度を導入しても不動産や海外資産などは対象外ですべてを把握できません。より徹底して把握されるのは一般の給与生活者などであり、高額所得者や資産家の所得や財産はそのままです。



決まっていない「メリット」をあげて宣伝する政府のチラシ

経費は1兆円
一方で、マイナンバー導入にかかる初期費用は約3000億円。年間経費に約300億円かかり、民間事業者の負担を含めると1兆円ともいわれます。
これだけの税金と負担を強いておきながらまともなメリットを示せないため、自民党は「利便性の向上を検討しなければならない」(マイナンバー利活用推進小委員会の提言)などといいだし、健康保険証と「番号カード」の一体化など、当初の目的を逸脱した利用拡大をねらっています。
坂本団(まどか)弁護士(日弁連情報問題対策委員会委員長)は指摘します。「国民にも行政にもメリットはなく、利用を拡大するほどコストもかかり、不正利用の危険性が高まるだけです。それでも導入するのは、『社会保障個人会計』をつくって、負担に応じた給付にするねらいがあるからです。社会保障は権利ではなく、自己責任になってしまいます」(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年10月1日付掲載


マイナンバー、決まってもいないメリットで宣伝。取らぬ狸の税収増。
決まっているのは、初期費用に年間経費。困ったものです。

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