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トンガ火山噴火で日本に「気象津波」 海洋機構がスパコンで再現~エネルギー渡す「共鳴」で増幅

2023-01-10 07:11:35 | 科学だいすき
トンガ火山噴火で日本に「気象津波」 海洋機構がスパコンで再現~エネルギー渡す「共鳴」で増幅
2022年1月、南太平洋のトンガ諸島の海底火山の噴火に伴って発生し日本付近で観測された「気象津波」を、スーパーコンピューターによる数値計算で再現することに、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究チームが成功しました。(中村秀生)

専門家の議論を呼んだ気象津波。今回の研究で、噴火で発生した2種類の大気波動(ラム波・ペケリス波)が水深6000メートルの海洋を通過し海面変動を引き起こしたり増幅したりすることで、8000キロメートルも離れた日本に10~20センチメートルの気象津波をもたらし、沿岸部の地形効果でさらに増幅された最大1メートルの海面変動まで観測されたメカニズムが明らかになりました。

ラム波・ペケリス波
ラム波は、古くから知られる大気波動の一つで、空気の密度の粗密が伝わる波。音速に近い秒速300メートルほどで遠方まで水平に伝わります。
ペケリス波は、1937年にペケリス博士が理論的に導き出した特殊な大気波動(秒速約240メートル)。実在するかどうかは長年の謎でしたが、JAMSTECと京都大学の研究チームがトンガの噴火後の気象衛星データを解析して発見し、気象津波にどのような役割を果たすのか注目されていました。

研究チームは、噴火で発生した大気波動を高層まで良く再現できる手法で計算。それが海洋の波にどう影響するかをスパコン「地球シミュレータ」で調べました。その結果、大気の波が海洋の波と同じ速度で進むことで海洋に効率的にエネルギーを渡す「プラウドマン共鳴」が起こり、気象津波が増幅されたことが判明しました。
海洋の波の速度は水深で決まります。トンガから日本までの経路の前半は水深が浅く、大気と海洋の波の速度がずれるのに対して、後半の北西太平洋海盆(深さ6000メートル)の海洋の波は秒速240メートルであり、速度が近いペケリス波からはとくに効率的にエネルギーを得て増幅したとみられます。(図)




気圧が低い所の海面が上昇する「吸い上げ効果」でも海面変動は生じますが、その効果はラム波が2センチメートルほどで、ペケリス波はさらに微小。プラウドマン共鳴では、ラム波で吸い上げ効果の2倍(4センチメートル)、ペケリス波では同8~20倍(1~2・5センチメートル)もの気象津波が引き起こされることが分かりました。
鈴木立郎(たつお)JAMSTECグループリーダー代理は「世界のどの火山でも同規模の噴火が起これば、日本に気象津波が到達する可能性は高い」と指摘。気象津波の予測によって、今後の沿岸防災対策に貢献できると期待します。
論文は12月24日付で学術誌『オーシャン・モデリング』に掲載されました。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年1月9日付掲載


研究チームは、噴火で発生した大気波動を高層まで良く再現できる手法で計算。それが海洋の波にどう影響するかをスパコン「地球シミュレータ」で調べました。その結果、大気の波が海洋の波と同じ速度で進むことで海洋に効率的にエネルギーを渡す「プラウドマン共鳴」が起こり、気象津波が増幅されたことが判明。
日本近海の海が深いことが大きく影響していたんですね。

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