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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

消費税増税と自民党型政治③ 下手に出つつ政界工作

2012-11-28 21:58:42 | 総選挙(2012年)
消費税増税と自民党型政治③ 下手に出つつ政界工作

2009年10月27日、午後1時から第4回税制調査会が開かれました。霞が関の合同庁舎第4号館11階の共用第1特別会議室。関係団体からのヒアリングが行われ、そこには経団連評議員会副議長の大橋光夫昭和電工会長(当時)の姿がありました。
大橋氏は、自民党時代の政府税調のメンバーでもありました。「大変なじみのある場所でございます」と口を開き、こう発言したのです。
「鳩山内閣では、4年間は消費税率の引き上げを行わないという方針は、十分承知しています。また、現下の情勢からも、当面消費税を上げるという環境にはないということも十分理解をしています」



呼びかけに応じて署名する女性=10月24日、東京・巣鴨駅前

国民審判の力
この時、大橋氏は経団連の税制委員会の共同委員長も務めており、経団連の税制問題の最高責任者でした。その大橋氏に、消費税率引き上げを行わないのは、「十分承知」といわせた力は、総選挙での国民の審判の力でした。しかし大橋氏は、この会議の席でこうも強調します。
「少し中期的な問題として、やはりどうしてもお考えいただくべきだと思っているのは、まさに社会保障にかかわる費用の問題」
「一番は、やはり消費税。これは比較的、景気の動向に大きな影響を及ぼさないという意味では、社会保障のための資金、税収ということを考えれば、一番安定的に政府としても心配なく、使えることになるのではないか」
経団連は下手に出つつ、「中期的課題」として消費税増税問題を持ち出しました。
会議に出席していた峰崎直樹財務副大臣(当時)は、経団連側の主張について、「経団連のみなさま方は、税負担の重さというよりも、先行きの見通しの方をすごく重視していらっしゃるのかなと思います」との感想を持ったといいます。

巻き返し戦略
政権交代という事態を受け経団連は、従来の自民党時代の人脈に代わり、民主党政権との関係構築に乗り出していました。
「経団連事務局は日常的に政治家・霞が関と交流し、政策対話をすすめていかなければならない。民主党の政策担当、閣僚、政務三役などのみなさまは、経団連と対話をおこなうことも、必要だというふうに感じ始めているのでは、と感じます」
後に、米倉弘昌経団連会長はこのときの水面下での事務局の動向を明かし、財界の巻き返し戦略が功を奏し始めてきたことを明らかにしています。(10年5月27日の記者会見)経団連が、09年10月2日発表した「税制提言」では、「2015年度までに消費税率5%分(合計10%)の財源を確保する必要があるとされている」「望ましい社会保障制度の姿を完成するためには、25年度までにさらに7~8%分(合計17~18%)の安定財源の確保が求められるとされている」との表現を使っていました。経団連は、この「されている」という伝聞調の表現を使って、自ら主張したいことを政府に伝えていたのです。
この時、財界の考え方を最もよく理解していたのは、もう一人の財務副大臣、だれあろう後の首相の野田佳彦氏でした。野田財務副大臣(当時)はいいます。
「全く財政規律を無視した形でやっていくのかというと、それも問題がある。これまでは債務残高がふくらんでも利子は抑えてきました」「やはりマーケットの信認に耐え得ることを常にやっていかないと予算編成どころではないという事態も起こり得る」(09年10月22日の政府税制調査会)
この「財政規律」回復のためには、「消費税増税しかない」という理屈こそ、財界が常に強調していたものでした。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2012年11月27日付掲載



「コンクリートから人へ」のキャッチフレーズで政権についた民主党ですが、2010年には財界からの攻勢に早くも負けてしまっているのですね。
その筆頭にたったのが、だれであろう消費税増税法案を通した野田さんだったのですね。
政党助成金以外にほとんど自主財源のなかった民主党。財界からの企業献金に頼らざるを得なかったのでしょう。
コメント
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