きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

保育所は宝物! 今、公的制度がピンチに

2008-11-05 22:59:03 | 過去の総選挙・参院選挙
ゼロ歳から就学前までの子どもたちが過ごす保育所は、福祉制度として公的な補助を受け、働く親の子どもたちが安心して過ごせるようになっています。しかし、いま、その公的な保育所制度が大きく揺らいでいます。

保育所は宝物保育所は宝物
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 都心から電車で1時間ほど離れたある保育所。小さな靴が並んだ入り口のところに長いカウンターテーブル。
 端にはコーヒーメーカー。「ここはお母さんたちのスペースです」というのは園長の溝口義朗さん。子どもの話をきっかけに、仕事の悩み、お金の相談、夫婦間のことなど、いろんな話を聞きます。
 この保育所は東京都独自の基準で設置されている認証保育所。自治体に申し込む認可施設と違って、直接相談を受けて入所手続きをします。「断るのがつらいんですよ」。定員満杯のときは、ほかに入れる保育所を一緒に探しまわることもしばしばです。認可保育所に入れるのは働いていてしかもフルタイムなど保育要件が高い人。
 働く女性の半分は非正規・パートとなっている今、認可保育所入所のハードルはますます高くなっています。
娘を預けている20代のお母さんは、保育料をもう10カ月以上滞納しています。払えるときに少しずつ少しずつ返しているそうです。
 「食べていくだけの生活費を稼ぐのがやっとという親が増えています。そんな親たちの子育てをあたたかく見守り、子どもたちの発達を保障できる環境を整える・・・。保育所は、今や貧困と格差の荒波から子どもたちを守っていく最後のとりでみたいな場所。今こそおとなたちが力を合わせて保育所を充実させなくちゃいけない」と溝口さんは強調します。


 国と自治体は保育の実施に責任をもつ、と憲法と児童福祉法にうたわれています。ところが、いまその制度が揺さぶられています。2001年の小泉内閣発足で官から民へという規制緩和の流れが保育にも持ち込まれ、三位一体改革によって公立保育所運営費が一般財源化されると、一気に保育予算が減りました(グラフ1)。これにより定員弾力化による詰め込み保育、公立保育所の民営化が推し進められています(グラフ2)。


【グラフ1】


【グラフ2】

 財界は、保育所の最低基準などのしばりをはずせという要求を政府に繰り返し突きつけています(年表参照)。
 安い女性の労働力の確保のためには、金をかけない安上がり保育所の増設が必要、との立場からです。
 全国保育団体連絡会事務局長の実方伸子さんはいいます。「保護者の経済力に関係なく、どんな家庭の子どもも、希望するすべての子が受けられるのが公的保育制度です。そこでは、どの子も平等に発達し成長する権利が保障されなければならない。子育てを支える地域の大切な財産でもある認可保育所の拡充こそ、子育てしやすい環境作りになります。財界いいなりの政をはねかしたい」




【日本共産党はこう考えます】
▼政府がすすめている公的保育の切り捨てをやめ・・・保育所の拡充・整備をすすめます
▼子育てへの不安や児童虐待などの問題にこたえるための相談・支援体制を拡充します


公的な保育所制度って?
 国・自治体の責任で保育を保障する公的な保育所制度は、認可保育所を中心に実施されています。認可保育所には、公立(地方自治体が設置)と私立(社会福祉法人などが設置)があります。認可保育所は、児童福祉施設最低基準(施設の面積、乳児室や調理室、保育士の人数などを定めたもの)を満たし、公費で運営されています。ベビーホテル、東京都が補助金を出している認証保育所などは、認可外保育所です。
 認可保育所への入所は、保護者が希望する保育所を選び自治体に申し込む方式。自治体が優先度の高い順に入所を決定し、所得に応じて保育料を設定します。
 政府・財界は、直接、保育所と利用者が契約を結ぶ直接契約(入所)・方式の導入や、最低基準の緩和を要求。そのねらいは、保育にたいする国・自治体の責任をはずし、保育を営利企業のもうけの場にすることです。直接契約方式では、保護者は直接園に入所を申し込みます。保育料も事業者が自由に設定でき、保育内容も保育料しだいになります。


【しんぶん赤旗日刊紙 11月2日付けより転載】
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