神戸の空の下で。~街角の歴史発見~

足かけ8年、150万PV突破。「近畿の史跡めぐり」のサブタイトルも、範囲が広がったために少し変更しました。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

神戸・温泉寺。

2007年08月30日 | ■神戸市北区

有馬山温泉禅寺

(ありまざん おんせんぜんじ)
神戸市北区温泉町1643




北政所によって1585(天正13)年2月に再建された温泉寺本堂。


〔宗派〕
黄檗宗

〔御本尊〕
薬師如来像
(やくしにょらいぞう)



 日本最古の温泉の一つである有馬温泉。太古の昔、有馬の地を訪れた大已貴命少彦名命が、手負いのカラスが湯溜りに浸かって傷を癒す姿を見て泉源を発見したのがその始まりだといわれています。631(舒明3)年9月からの3ヶ月にわたる舒明天皇の行幸、さらには647(大化3)年10月から大晦日にかけての孝徳天皇による行幸が「日本書紀」や「釈日本紀」に記されるなど、少なくとも7世紀初頭には都に聞こえるほどの温泉地だったことがわかります。その有馬温泉の中心地・愛宕山の中腹に建つ温泉寺は、奈良時代を代表する高僧・行基上人によって開基された古刹で、正式名称を「有馬山温泉禅寺」といいます。黄檗宗の寺院ですが、以前は真言宗の寺院だったといわれています





金色に輝く御本尊・薬師如来坐像。重要文化財の波夷羅大将立像等が脇を固めます。


 
 相次ぐ天皇の行幸によって賑わった有馬温泉ですが、その後7世紀末にかけて次第に衰退していきます。そんな有馬温泉の復興を手掛けたのが、各地で民衆のために土木開発事業を行っていた高僧・行基上人です。伝説によると、薬師如来が病人の姿を借りて行基上人を有馬へと導き、復興に努めるようにとのお告げを残したと言われており、行基上人はそのお告げに従って有馬温泉の整備を進め、一宇の御堂を建てて自ら刻んだ薬師如来尊像を納めたといいます。724(神亀元)年に建立されたこの薬師堂温泉寺の始まりといわれています。

 行基上人の功績によって栄えた有馬温泉も、1097(正徳元)年に起きた水害によって地域の大部分が流失、ふたたび荒廃の憂き目に遭います。約100年間衰退していた有馬温泉は、伝説によると熊野権現の夢のお告げによって有馬を訪れたといわれる大和国吉野の僧・仁西上人によって1191(建久2)年に復興されたといいます。仁西上人温泉寺の復興も進め、薬師堂を中心に境内の整備が行われました。さらには薬師如来を守護する十二神将に因んで12の宿坊も建てられ、湯治場としての基礎が出来上がりました。現在も「○○坊」という名の付いた旅館が多いのはここに由来します。





本堂前の石段の脇には、風雪に耐えて磨耗した石仏(左)と地蔵堂(右)があります。



 戦国期に入り、大火事や兵火に巻き込まれた有馬温泉は何度も壊滅の危機に襲われますが、ここで復興に大きな功績を残したのが太閤豊臣秀吉公です。1583(天正11)年の初めての入湯以来、有馬温泉の効能を高く評価した豊臣秀吉公は、泉源の本格的な改修工事も含め温泉街の充実に尽力し、行基上人仁西上人とともに「有馬の三恩人」と並び称されました。1576(天正4)年3月に有馬温泉全体を炎に包んだ大火事で深刻なダメージを受け、なかなか再建が進んでいなかった温泉寺も、この窮状を憂えた豊臣秀吉公の正室・北政所から1585(天正13)年2月に1500貫の寄進を受け、同年5月末には見事に復興されました。





本堂に使われていた鬼瓦(左)と、本堂の脇に建てられた資料館「御祖師庵」。



 有馬温泉の中心寺院として江戸時代も湯治客に親しまれた温泉寺ですが、明治維新後に起きた廃仏毀釈運動の影響を受けて薬師堂以外の堂塔はすべて破却され、一旦廃寺となってしまいます。その後温泉寺の奥の院だった黄檗宗清涼院がその名を継ぎ、今日に至るまで法灯を引き継いでいます。また、毎年1月2日には、温泉寺に安置されている行基菩薩像と仁西上人像を神輿に乗せて温泉街を練り歩く「入初式」が行われ、新春の有馬温泉に新春の彩りを添えています。





旅館火災によって亡くなった方々の鎮魂のための慰霊碑(左)と境内を彩る植栽(右)。


アクセス
・神戸電鉄「有馬温泉駅」下車、南東へ徒歩10分
有馬山温泉禅寺地図  Copyright (C) 2000-2006 ZENRIN DataCom CO.,LTD. All Rights Reserved.

拝観料
・境内無料 ※御祖師庵へは拝観志納金が必要 (大人:100円、小人:50円)

拝観時間
・境内は常時開放 ※御祖師庵 :9時~16時30分


有馬温泉 るるぶグラフにっぽんの温泉

JTB

このアイテムの詳細を見る
『兵庫県』 ジャンルのランキング
コメント   この記事についてブログを書く
« 神戸・相楽園「にわのあかり」 | トップ | 神戸・皇大神社(垂水)。 »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

■神戸市北区」カテゴリの最新記事

関連するみんなの記事