我が国の認知症医療の第一人者で、2017年に自らが認知症になったと公表した
精神科医の長谷川和夫氏が、今月13日 92歳で死去されたとのこと。
高齢者医療・介護に関わる者なら誰もが知っている『長谷川式簡易知能評価スケール』は
現在も認知症の診断に広く使われています。
もう何年前になるでしょうか、世に『高齢化社会』とか『痴呆老人』という言葉が広まった頃
東京で行われた介護者研修で、講師をされた長谷川和夫氏の提案の元
人格を否定する『痴呆』や『ボケ』に変わる言葉を検討したことがありました。
現在は『認知症』と言い換えられ、言葉だけではなく人間の尊厳や残存機能に注目した処遇が
為されるようになった一助として、長谷川氏の貢献があったと思われます。
ご自身が認知症と診断された後も、テレビや講演会で『認知症は怖くない』と
発信を続けられていましたが、残念ながら此の度の訃報に接することとなりました。
謹んで追悼の意を申し上げます。有難うございました。