KIMISTEVA@DEEP

新たな「現実」を構成するサブカルチャー研究者kimistevaのブログ

相手のことを意識して「書く」

2008-05-19 21:30:46 | お仕事
「ウーマン Train in マン is ノー」

これ。
今日の授業中に出た謎解答です。
・・・あ。ご存じのとおり、わたしの授業は「論理的思考」であって、「英語」ではありませんよ。

わたしの授業では、今年から、「相手のことを意識して書く(話す)」トレーニングを意識的に取り入れています。
国語科の作文教育では、よく、「相手意識」というのが言われるのですが、
本当に「相手意識」を真剣にかんがえた実践や教材にはあまり出会ったことがありません。

なんか、結局、「相手意識」=敬語を正しく使える/日本語を正しく使える
・・・というところに収斂してしまうところが、ネックなんだと思います。


そんなことを考えているときに、『日本語を書くトレーニング』『日本語を話すトレーニング』(野田尚史・森口稔著。ひつじ書房)というテキストに出会って、今ではいろいろとこのテキストを重宝しています。

このシリーズのテキストでは、「問い合わせのメール」とか、「雑談をする」「お願いをする」とか、本当にふだんから使えるような場面の問題がたくさんのっていて、
さらに重要なことは、
このテキスト。「解答」がひとつものっていないんです。

そういう方針が、本当にもう大好きで、看護学校でなくて大学の基礎科目や市民講座だったら、絶対テキストに指定したいなぁと、思ってます。


よく考えたら、当たり前ですよね。
相手のことを考えはじめたら、いつまでたったって、「正解」なんてあるはずないんですから。
相手によって答えは違うし、状況によっても違う。
しかも、その言葉を使う当の人間がどういう人かによっても違ってきます。

だから、「相手のことを意識して書く(話す)」ことを学習するためには、
ある問題状況を与えて、それに対してどう思うか、その問題状況を解決するためにはどうしたらいいかを、いろいろな人たちが考えて、いろいろな人たちが自分なりの意見を言って、そのいろいろな意見を聞きながら、
「なるほどー。そういう考えを持つ人もいるのかー。」
・・・と、考えていくしかないわけです。

ものすごく、まだるっこしいけど、
あっさりした正解のある人間関係なんて、わたしはつまらないと思う。


人間関係は、果てしなくまだるっこしいし、めんどくさい。
そのまだるっこさに、ポジティブシンキングで付き合ってみましょうか!・・・というのが、わたしの授業(前半)のテーマになっています。

そんなわけで、タイトルの謎解答ですが、
これは、「日本語があまりわからない人」に向けて、女性専用車両のステッカーを作る・・・という課題についての解答でありました。

でも、英語がわからないなりに、なんとか伝えようとするその精神を考えれば、
この解答も、まさにひとつの「解答」だな、と思うわけです。
ぶっちゃけ、もしかしたら、伝わっちゃうかもしれないしね。


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