KIMISTEVA@DEEP

新たな「現実」を構成するサブカルチャー研究者kimistevaのブログ

「自由からの逃走」:緊縛と線

2006-10-10 18:18:53 | わたし自身のこと
わたしは、芝居もするし、華道もやるし、絵やイラストを描くのも好きです。

それぞれの世界の中で、わたしが作ろうとするものはバラバラだと思っていたけれど、それでも共通のモチーフがあることが存在することがわかりました。

わたしの愛してやまない共通のモチーフ。
あるいは、わたしがそこから逃れられないモチーフ。

それが、ロープとかヒモとか、何かを縛ることのできるもの、
人を縛っていく線、ラインです。

大学に入学したとき、わたしの心をぎゅっとつかんだのは、
エーリッヒ・フロムの『自由からの逃走』でした。
「自由」であることの不安感にたえられずに、何かに縛られようとする人間。
なにかのラインを設定することでしか生きられない人間。

そこに、わたしは何か、人間というものの本質を見たような気がしたのです。

いまだに、「人が縛られることによって得られる安定感」のようなものを研究しているような気がします。
何かに縛られること。
そして、その緊縛を自ら求めること。

富山への旅行で、帆船「海王丸」を見ました。
だけど、わたしに見えていたのは、帆船そのものではなかったようです。

わたしの目に映ったのは、数かぎりない緊縛と線。
そして、その中でしか自分の立ち位置を確保することのできない人間です。


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