サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

第八話

2009年02月15日 | 夢脳
Mさんがイベント会場を仕切っている。
凛々しい立ち姿だ。
仕事現場に立ち会うのは、20年ぶりぐらいになるか。
彼女の姿が、眩しく見える。
僕は、会場の外に出て、芝生を歩く。
少し離れたところにある石盤の上で、雌ライオンが仰向けに寝て悶絶しているように見える。
ヴァギナが大きく縦に割れて、ブラックホールのような空洞状になっている。
その横から、象がよろよろ歩いてきて、雌ライオンの上に重なるようにこれまた仰向けになり、
巨大な四足を真上に硬直させるように突き出した姿で、硬直している。
命を絶ったようだ。
その横で、マントヒヒのような生き物が、呻きながら嘔吐している。赤い舌が垂れている。
その嘔吐が延々と続き、体躯は麻痺しているように見える。
いきなり腐臭が辺り一面を覆い尽くす。
嫌なものを見たなと思い、顔を背けて、僕はその場を離れる。
10分ほどして戻ってみると、それらの屍骸はきれいに片付けられている。
そこに、上気した顔のMさんが立っている。上着は脱いで、白いワイシャツ姿だ。
どうやら、彼女が片付けたらしい。
いったいどうやって、巨大な骸を片付けたのだろう?
逃げ出した自分が、批難されているようで、急に恥ずかしくなる。

図版:赤舌

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