肌と心に潤い…資生堂の復興支援
(産経新聞) 2011年06月17日 08時00分
「傷ついた女性の肌と心を癒やしたい」。東日本大震災の被災地で、資生堂の美容部員がスキンケアやメーキャップをする「ビューティーボランティア活動」。この取り組みが女性の心にうるおいをもたらし、復興の後押しになっている。(米沢文)
震災発生から2週間ほどして、資生堂販売東北支社の美容統括部長、松田佳重子さんのもとに、宮城県庁の男性職員が電話で相談を持ちかけてきた。「避難所の女性から、『赤い口紅をつけたい』といわれたんです。どういう意味なんでしょうか」
「女性にとって口紅は、前を向くためのねじり鉢巻きのようなものなんです」。受話器を置いた松田さんは、「そろそろ私たちの出番かな」と、思いをめぐらせた。
電話から間もなく、ビューティーボランティア活動は始まった。美容部員が避難所を回り、希望者に顔や手のマッサージを施したり、水のいらないシャンプーで頭髪のケアをしたりする。5月半ばからは、化粧水や乳液など3万セットを配っている。
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こんなときに、「お化粧かよ」という意見も出るだろうが、こんな時だから「お化粧」が正解なのだ。
被災地支援も100日が経過して、物資支援は微妙な段階にも入ってきている。
ひとつは、復興地の文具屋さんでも衣料屋さんでもなんでもいいのだが、復興で立ち上がる商売人たちの商売を結果として、妨害することになるからだ。
そうかといって、仮設住宅への入居が拡大してくるにつけて、あらたな「もの」や「サービス」が求められているのだが、義援金や補償金の支払いが遅滞する中で、生活に余裕のある人などはごく一部に過ぎないし、最低生活保障以上の要望に関して、「自粛」を強いられるムードもある。
もうひとつ、「風評被害」の被災地の野菜や魚などを、どんどん消費しようという運動も一般的になった。
これあこれで、僕もいろんな「市場」に顔を出したが、本当に安全なのかとそうした「気分」に警鐘を鳴らす人たちもいるし、「応援キャンペーン」を装いながら、とんでもない価格で仕入れる鬼のようなバイヤーが仕切っているという噂が入ってくる。
どちらにせよ、特に企業は、その本業のところで知恵を働かせて、長続きのする応援アクションをするべきだし、CSRへの個性的な創造性が求められているといえるだろう。