サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

イチローのたとえ(秋葉原事件の目の話せない公判注目度80点)

2010年09月15日 | それでも世界は回る

asahi.com(朝日新聞社):「ネット嫌がらせ、殺されたのと同じ」 秋葉原事件被告 - 社会


 2010年9月15日1時36分

東京・秋葉原で2008年6月、7人を殺害し10人を負傷させた無差別殺傷事件で、殺人などの罪に問われた元派遣社員・加藤智大被告(27)の第21回公判が14日、東京地裁であり、被告の精神鑑定を担当した精神科医が検察側証人として出廷した。
18回、計約44時間にわたった面接で被告が見せた心の内を、医師としての分析を交えて明らかにした。
精神鑑定は起訴前の3カ月間実施され、面接や心理テストなどをもとに「犯行当時、被告に精神疾患はなかった」との結論が出ている。
加藤被告はこれまで、事件の動機について「ネット掲示板上の(自分への)成りすましなどの嫌がらせをやめて欲しいとアピールしたかった」と語ってきた。検察側からこの点を「動機と犯行に飛躍があるのでは」と問われると、医師は「飛躍はあるが、それなりに筋が通っていて理解は可能だ」と説明。被告が面接で、たとえ話として、大リーグのイチロー選手に成りすました偽者が試合に出て凡打の山を築いたら……という話をし、「イチロー選手はだまっていないでしょ。自分が殺されたのと同じなんです」と語ったことを説明して、「被告にとってネットでの嫌がらせは、とてつもなく大きな意味を持っていた」と述べた。
攻撃の矛先が、見ず知らずの第三者に向けられたことについて見解を求められると、医師は「ネットの場合、行動を起こそうにも相手がどこにいるか分からない。メディアを通じて大勢に訴える手段を選んだのは必然だったが、危害を加えた点は自分も答えが出せない」と話した。犯行前や犯行時の被告の記憶が一部途切れている点については「犯行を思いついた瞬間を思い出せないのはよくあること。犯行時も無我夢中だった」と述べた。
次回期日は来月5日。弁護側が請求している精神鑑定について、地裁が採否を判断する。(山本亮介)

加藤智大被告の公判記録からは目が離せない。
今回のイチロー選手の喩えも、よくわかる喩えではある。
ネットの中で、チャットやブログの書き込みに疲れ果てて、サイトを撤収した人を何人も知っている。
加藤被告の場合は、書き込み者と不毛な論争があり疲れたとか、非難が延々と続いて疲れたということよりは、何回も本人が言っていることだが、自分への成りすましに対する、自分の場所が奪われたという、被害者意識が昂じたものである。
まさに、加藤被告のアイデンティティ・クライシスであったのだろう。

その後の記憶の途切れや「無我夢中」という精神状態がどのようなものであったのか、加藤被告の公判は続く。


 


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