サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

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くじけないで/柴田トヨ(詩人)/101歳

2013年01月21日 | 毎日がメメント・モリ

詩人の柴田トヨさん死去

時事通信 1月20日(日)15時26分配信

 柴田 トヨさん(しばた・とよ=詩人)20日午前0時50分、老衰のため宇都宮市の老人ホームで死去、101歳。栃木市出身。葬儀は24日午前10時から宇都宮市川田町1077の4の川田市民ホールで。喪主は長男健一(けんいち)氏。
 92歳から詩作を始め、2010年に刊行した初の詩集「くじけないで」が150万部を超えるベストセラーになった。

いつも美術館・博物館めぐりの「ぐるっとパス」を購入している。
そこに「相田みつを美術館」の入場券がついてくるのだが、頑固に「行かない!」と決めている。

相田みつをに、別になんの恨みもないのだが(笑)
でもその決め事を破ったことが二回ある。
小規模な併設展示として、金子みすゞ特集があったときと、柴田トヨ特集があったときだ。 

柴田トヨさんが詩作をはじめたのは92歳になってから。
裕福な米穀商のひとり娘として生まれたが、十代で家が傾き、 料理屋に奉公に出て、33歳で調理人と結婚した。
80歳を過ぎて夫と死別、その後はひとり住まい。
息子に励まされながら、新聞に投稿をするようになり、その投稿作品をまとめて自費出版でひっそりと出した詩集が出版社の目に留まり、『くじけないで』と題して正式出版され、口コミで伝わり、100万部を突破するベストセラーとなった。

トヨさんの詩は平易だ。
けれどもひとつの短い詩を書き上げるのに1週間はかける。
言葉をひとつづつ吟味しながら、あるいは熟成させながら、もしかしたら削ぎ落としながら、誰の心にも響くであろう詩が産み落とされることになる。

老化をすればあたりまえのように肉体の動きは自由がきかなくなる。
けれども、脳の明晰さや心の感受性は、肉体に比例して衰えるわけではないし、むしろその逆かもしれない。

トヨさんはつらいことも山ほどあったろうが、くじけないで生きてきた。
そして最後までそのことを、自分にも、周りの人にも、あるいはつらい日々を負っている東北の被災者の人たちを思いをやりながら、言葉にしてきた。

無名の生活者が人生の晩年に奇跡のような言葉を紡ぎだすことになった。
このことは、たぶん誰の中にも、言葉は「発露」されるのを待っていると言うことを意味しているのかもしれない・・・合掌!

くじけないで
 
       ねえ  不幸だなんて
       溜息をつかないで
 
       陽射しやそよ風は
       えこひいきしない
 
       夢は
       平等に見られるのよ
 
       私  辛いことが
       あったけれど
       生きていてよかった
 
       あなたもくじけずに

 
 

 

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