サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

のれんわけの失敗(危機管理の反面教師度90点)

2007年11月27日 | それでも世界は回る

船場吉兆の偽装に生産者怒り心頭 「ばかにしている」


偽装が発覚し、休業中の船場吉兆本店。湯木正徳社長は捜索前の会見で組織的関与を否定したが、次々明るみに出る偽装に、老舗「吉兆」のブランドは大きく揺れている(22日、大阪市中央区)【時事通信社】
偽装が発覚し、休業中の船場吉兆本店。湯木正徳社長は捜索前の会見で組織的関与を否定したが、次々明るみに出る偽装に、老舗「吉兆」のブランドは大きく揺れている(22日、大阪市中央区)【時事通信社】


(朝日新聞) 2007年11月25日(日)12:12


 船場吉兆(大阪市中央区)の牛肉産地偽装事件が、生産者や販売業者に波紋を広げている。同社の「吉兆ブランド」を扱ってきた通販会社は、お歳暮商戦まっただ中でカタログの修正に追われ、損害賠償請求を検討する業者も。一方、牛肉ブランドの産地競争が激しくなるなか、「但馬牛」と偽られた鹿児島や佐賀の生産者は「あまりにばかにしている」「イメージダウンが心配」と怒り心頭だ。>>続きを読む

「吉兆」の偽装事件が騒がれているが、「吉兆」本家で、伝統を味わったことのない僕には、フーンという感想しかない。下世話に言えば、吉兆の創業者湯木貞一が、大阪で創業し、茶懐石を中心としたブランド形成に成功し、サミットなどを通じて、日本の頂点にまでのぼりつめたのだが、その子どもたちへの「のれんわけ」に失敗したということだ。
本店吉兆、神戸吉兆、船場吉兆、京都吉兆、東京吉兆。
この5つの営業形態は、それぞれ、資本関係があるわけではなく、子どもたちがそれぞれ、競い合うようにして、独自に勢力拡張を果たしたものである。
老舗が、ある種のドライな資本主義的株式会社に移行し、多店舗展開をしていくとき、必ず陥るであろう罠に見事に嵌ったというべきか。

それにしても、船場吉兆の湯木尚治取締役の、パートさんなど従業員に責任を押し付けて恥じない数々の発言は、「危機管理ハンドブック:これだけは禁句!」というテキストがあったとしたら、事例研究のトップにあげられそうな、身の蓋もない、お馬鹿発言であった。


 


 



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