サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

GPS機器(監視社会はもうとっくに到来している度80点)

2008年04月30日 | それでも世界は回る

少女にGPS機器持たせ売春強要 容疑の男女逮捕 京都

2008年4月30日(水)19:35
  • 朝日新聞

 知人の少女に繰り返し売春をさせたとして、京都府警堀川署などは30日、京都市中京区四坊大宮町、自称宝石販売業の中山崇容疑者(31)と、同居する自称会社員の少女(19)を売春防止法違反の疑いで逮捕した。いずれも否認しているという。両容疑者は被害者の少女に全地球測位システム(GPS)の機器を携帯させて行動を監視し、売春を強要していたという。


 調べでは、中山容疑者らは2月中旬、京都府内の無職の少女(19)に京都市内のホテルなどで、複数の男性を相手に売春させた疑い。以前に飲食店の同僚だった少女を誘って自宅に同居させたうえ、売春を強要。「逃げたら家族にばらす。暴力団に売る」などと脅し、GPS機器を持たせて逃げられないようにしていたという。2月にすきを見て逃げ出した少女が同署に相談した。


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GPSは便利である。
塾通いのこどもに持たせれば、親も少しは安心だ。
けれども、これほどおそろしい管理の(あるいは監視の)ツールもない。

携帯のさまざまなアプリケーション開発で、当然ながら、社員の管理システムがある。
GPSつきの携帯を支給した社員の、行動はもれなく管理できることになる。
パーソナライズして使う場合は、無限の使い方が想定できる。
自分の行動を、自分でGPSを使って記録し、自分の行動パターンの記録から、さまざまな自己発見をすることだってできる。
いまのところ、できるならi-phoneのような端末を、自分の体の一部のように、使いこなしたいという気になる。
けれども、自分を離れて、他人が監視するようなツールとして、使われる場合には、僕たちは一挙に窮屈な気分を味わうことになる。

識者たちは、日本のサラリーマンは生産性が低いとのたまう。
無駄な動きをしている、人の目を盗んでさぼっている、とえらそうに指摘する。
監視モニターの側に座るのは、いつも権力サイドであり、管理サイドである。
こういう世界に対して、「異議申し立て」の手段として、逆にITを駆使する勢力が登場した。
それが「ハッカー」であり、たとえば「無線マニア」であった。
もちろん、なかにはその知識を悪用する連中たちも、出てきてはいる。

法律とのいたちごっこに終わりはないが、所詮は、敗北必至の虚しい戦いでもある。
今回の事件は、たまたま売春強要という馬鹿げた行為だが、この少女がいつ自分自身になるかどうか、強要されているという感覚もなしに監視されているかどうか、そういう社会にもうすでに、十分、入り込んでいるのだ。


 




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