いつもストレッチ体操をするときに私が椅子の所へ歩いていく前に、私の為に黙って足置きの台をセットしてくれるNさん。一休みをしていると週刊誌を手にして私の席にやって来ました。可愛い猫の載っているページを見せながら、「猫を飼おうと思っているんだがどうすればいいのか教えてくれる。」 「そうね、今は猫がブームになっている様だからペットショップに行けば猫がいるんじゃないかな。」
奥さんを突然病気で亡くして5年になって、どうも最近一人の生活が寂しいようです。猫を飼えれば楽しみも出来るかなと考えたのでしょう。その方がきっと彼も話し相手が出来て猫のお世話で気がまぎれるでしょう。
「ペットショップで貴方を見つめてくれる相性のいい猫を気に入るまで探してね。そんな猫だったら貴方の膝に乗って毛並みを撫でて上げると可愛い舌でなめ回してくれるわよ。可愛い猫を見つけてね。」もう飼っているような嬉しそうな顔をしていました。
ホットパックで腰を温めているとき、突然顔を寄せてきた人が・・・・「覚えていますか。」 「えーと、覚えていますよ、もちろん.」 一年以上前に来なくなっていたIさん。 「またこちらに来るようになったのですか。」 「あれから貴女は良くなっているのかな。」 「徐々にですが、よくなっています。」
話していると後に車椅子の女性が付いてきました。「もしや、奥さんですか。」 「そう、今日は連れてきてここを見てもらおうと来たんだ。」 「こんにちは、ほら壁に貼ってある絵もここで皆さんが描いたものです。いろいろ楽しく出来ますからお仲間になりましょう。」暫くここでのレクレーションの説明をしました。わかって頂けたかな。