氣まぐれ剣士の言いたい放題

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761 はとバス

2010-02-04 11:50:39 | Weblog
氣まぐれ剣士の言いたい放題

761 はとバス

「サービスの原点は“自分”がお客になること」
東京都交通局長からはとバスの社長になられた宮端清次さんのお話です。

(はとバスの社長に)就任後、現場の社員に徹底させたのは「お客様第一主義」の方針でした。鉄道などと違い、観光バスはお客様に選んでいただいて初めて成り立つ事業です。判断をされるのはお客様であり、自己満足は最大の敵になる。

そこに陥らないためにはどうすればよいか?
自分がお客になるんですよ。

これは私が東京都交通局長をしていた時の失敗を踏まえてのことでした。
私が現場へ行く時、職務乗車証があれば、都電とバスにタダで乗ることができました。だから都営交通の最高責任者でありながら、料金箱のどこからお札が入りお釣りが出てくるか、路線図や料金表が利用者にとっていかに見にくいものか、何も知らずにいたんです。お金を払っていませんから。

だから同じ轍は踏むまいと、月に3回妻を連れて、休みの日に自腹ではとバスに乗ることにしたんです。そこで自分が8,000円を払うことによって、本当に8,000円の値打ちがあるかどうかを検証できるんです。

観光バスの不満の最たるものは食事です。特に中高年のご婦人方は目も口も耳も肥えていて、一緒に乗っていると
「ご飯がボロボロ」「天麩羅が冷えてる」という愚痴や「もうはとバスなんかダメよ」という声が聞こえてくる。こっちは食事なんて喉を通りません。

一番勉強になるのは帰りの車中で、前後左右から漏れてくるお客様の生の声、呟きです。しかしこれほどありがたいものはないんです。そこをすぐに改善すればいい。

お客様の苦情、不満は宝の山であり、ラブレターなんです。
そこから逃げたらダメですよ。苦情、不満を少なくしようと思えば逆に苦情、不満を生かすこと。それが一番の近道です。

だからサービスの原点とは自分がお客になることですね。そこからお客様の立場が分かってくるんです。そこで私は幹部にも月一回、自腹でバスに乗るよう指示をしました。

しかし、「社長はたっぷり退職金をもらって天下りでここへ来てる。俺たちは賃金カットで生活も大変だ」という陰の声が聞こえてきました。

これらの社員の意識を改革をしようと思えば、まずトップが変わらなきゃダメです。周りを変えようと思えば、まず自分が変わるんです。そしてお客様の声に毎日毎日耳を傾け続けた。それが改革の出発点です。


都知事の石原さんから赤字のはとバスをナントかせいと言われて、東京都交通局長からはとバスの社長になり、一年で赤字のはとバスを黒字にしたそうです。

中には失敗も色々したそうです。経費節減で、バスの中で出すお茶の質を落としたそうです。そしたらお客から、お茶がまずくなったとクレームがでて、バスガイドが肩身の狭い思いをしている。そこで気がついたそうです。経費は節減しても、サービスの質を落としてはいけないと。

そうですね、サービスを落とせば経費削減は簡単に出来ますよね。ただそれでは、ますますお客は遠のいていきますからね。

何事も自腹を切れば、その本質が良く分かりますね。他人の土俵では何とでもいえますからね。トップに立つ人は、上から目線と、下から目線とその両方が必要かも知れませんね。まぁ、トップに立つことはありませんから、心配することはありませんが・・・。