三歳児、乗鞍剣ヶ峰に登る。からの続き。
剣ヶ峰から下山して坊と二人、やってきたのは白骨温泉の小梨の湯笹屋。
とても人気のある宿で、過去に何度も宿泊を試みたものの、
もの凄く高い「離れ」の部屋しか空いてないことがほとんどで、諦めていたが、
今回予約したのが、3日前にもかかわらず手頃な値段の部屋が空いていて即決。
宿泊は初めてだが、入浴利用で過去に2回ほど来たことがある。
詳しくは→ 2009年9月 2008年2月
お部屋のほうはこんな感じ↑
8畳間にトイレや洗面台のある板敷きのスペース。
窓からの景色はこんな感じ↑
倉庫や従業員の宿舎と思われる建物が広がり生活感満載。
部屋のすぐ下では、カーンカーンと缶を潰す音が聞こえる等々、
大自然の中にあって興醒めの感もあるが一番安い部屋なので致し方無し。
洗面台とトイレはこんな感じ↑
さてさて、早速貸切露天へ向かう。
札をひっくり返して「空き」から「入浴中」へ。
ここが露天への入口。恐る恐る中をのぞく坊。
長いアプローチを・・・
通って・・・
露天風呂に到着。久方ぶりの硫黄臭、たまらんです。
投入量は少なめだけどさすが白骨お湯が濃ゆい。
温泉大好きな坊も満足のご様子。
ついさっきまで立っていた乗鞍岳の頂きを思い出しながら、
私「坊よ、よく頑張ったな!」坊「パパもよく頑張っただよ!」と互いの労をねぎらいっこ。
下山後の身支度等で到着が遅れたため、晩飯は30分遅らせてもらった。
そのことが関係しているかどうか知らないが、本来は食事処でとるところ、
子連れにはありがたやの部屋食となった。
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ちなみに上の写真↑は食事処の前に置いてあった野菜たち。
この宿で使っている野菜の紹介が添えられていて、
今流行りの表記で○○さんが育てた○○などと言った感じ。どれも無農薬で長野県産。
小鉢の詳細は以下のとおり↓
ひとつづつ説明してくれたが、見事に失念。
その他にもこんなものや・・・ あんなもの。
正直、食事は全然期待してなかったけど、いい意味で裏切られた。
ほとんどの温泉旅館がそうであるような、くどく濃い味付けとは無縁で、
薄味でありながら、どれも素材の味がしっかりとしている。
なかなかいいんでねぇの。とっても気に入ってしまった。
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美味しくあるが故、家に残したワイフと嬢になんだか悪いな、
と思いつつも坊と完食。ごっつぁんでした。
夕食の後、腹ごなしに館内を探検。
館内の設えもなかなかオサレで、人気の理由もうかがえる。
今日は3時半に静岡の自宅を出発し、乗鞍の剣ヶ峰に登って、白骨までやってきた。
温泉にもつかってもうくたくた。歯磨きしておやすみー!
2日目へ続く。
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白骨温泉 小梨の湯 笹屋
住所:長野県南安曇郡安曇村白骨温泉
電話:0263-93-2132
料金:大人1名 1泊2食15,900円
※小人(3歳児)食事無し布団有りで3,150円
泉質:含硫黄-カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩温泉
※瓶ビール600円 ※リンゴジュース300円
※飲み物には10%の奉仕料がかかります。
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早朝3時半に坊と二人、静岡の自宅を出発。目的地は乗鞍岳の主峰、剣ヶ峰。
3歳9カ月の坊とは、3回目となる父子二人旅(1回目→コチラ 2回目→コチラ)
乗鞍高原の観光センター到着は8時10分。
ここまで辿りつくのにぐずり十数回、リバース2回で私も坊もすでにヘトヘト。
畳平までの二人分のバス乗車券(大人2400円、小人1200円)を購入して、
9時発のバスを待つ。ちなみに乗車券は膝上であれば小人無料。
もうすでに、バスを待つ長い行列。
定刻通りバスは出発。これから標高2702mの畳平らに向かいます。
乗鞍観光センターから畳平までは約20km、所要時間は50分。
ヘアピンカーブの続く山岳道路で、私も坊もさらにグロッキー。
そして、畳平到着。天候は濃霧。あまりの寒さに坊に手袋を買う。
これより、背負子に乗せた坊を背負って剣ヶ峰を目指します!
登山指導センターのおじさんから教わった近道、お花畑にルートをとる。
まずは、中間地点の肩ノ小屋を目指します。
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歩いて3分もしないうちにゼーゼーハーハー息があがる。
まわりの高山植物を愛でる余裕など残念ながら全く無い・・・。
背中に背負った計20kgの重みが肩に食い込む。
お花畑を過ぎ、わりと平坦な砂利道を行く。
肩の小屋まであと10分。
途中から車道のような道に出る。
左手に大雪渓が見えてきた!雪渓でかー!
静岡市内唯一のスキー場「リバウェル井川」より間違いなくでかいな。
世間は夏の盛りだってのにゴマ粒のように小さく見える人達が
スキーやスノボを楽しんでいる。さすが北アルプス。
肩ノ小屋が見えてきた!
この山小屋、スタッフの方々がとってもイイ感じ。ここで休憩&昼飯。
小屋の前はちょっとした広場になっていてこちらで食事する人も多い。
ところが、このあと無情にも雨がしとしと降ってきた。
とりあえず、小屋内に避難。
食堂は、こんな感じ。
昼飯は、カリーライス大盛(1000円)を坊と分け合う。
うまー!たぶんここでは何食ってもうまいんだろうな。
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飯を食ってる間に雨は降ったり止んだりを繰り返す。
この先、行くか戻るか考えながら、なんだかんだで1時間の大休止。
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雨も止み、坊も登ると言ってくれたので再出発!
その前に、足が寒いという坊に山小屋で売っていたネパール製の
毛糸の大人用靴下を買う。これがいい値段なのだが仕方なし。
ちなみに坊は、半袖T+長袖T+カーディガン+ジャンパー+合羽+手袋。
下は、厚手の長ズボンに毛糸の靴下という装備。
坊を背負う私は、Tシャツ1枚という対照的な出で立ち。
肩の小屋を出て、ここからが本格的な山登り。
登ってきた道を振り返る。
遥か眼下に肩の小屋がうっすら見える。
稜線に出るまで、浮き石もあり、道はどんどん険しくなってくる。
有り難いことに「お父さんがんばれー!」とか「親子でいいねー!」など、
いろんな方に声を掛けていただくが、なんとか応えるのが精いっぱい・・・。
そのうち坊も不機嫌になり、
「お山なんか登りたくない!もう帰る!」と、ぐずりだす。
そんな坊を手を変え品を変え、だましだまし励ましながら、
やっとのことで稜線まで出た。
そしてしばらくいくと彼方に頂上が見えてきた!
「頂上見えたよ!もう少しだよ坊!」と励ましながら登っていく。
この時不覚にも、嬉しくて泣きそうになってしまった。
乗鞍は、とても好きな場所であり、息子の名前もこの山域に由来する名をつけた。
その乗鞍の主峰である剣ヶ峰に息子と登ることは小さなものだが、
実は私の夢でもあったのだ。
右手に権現池を見ながら最後のガレ場を慎重に登る。
やったー!坊くんよく頑張った!
3歳9カ月にして、3026m、剣ヶ峰の頂きに立ったぜよ!
景色は全く見えないけど、二人で頑張って頂上に立てたことに意義がある。
ちなみに冬の写真ですが、剣ヶ峰はココ↑。
※いがやスキー場付近から見た乗鞍岳。
一等三角点にターッチ!
狭い山頂は、大混雑。休憩もそこそこに下山開始。
帰り道、近道のつもりで畳平ではなく、肩ノ小屋口に下りて行ったら、
ご覧のとおり↑雪渓の中を通らなければならず、
頼る物は心許ないロープ1本。最後の最後に冷や汗かきまくり。
「パパしっかり!転んじゃダメだよ!」と坊からの声援を受け、なんとか下る。
肩ノ小屋口のバス停に到着。緊張の糸が切れ、
無事に帰ってこれた安堵感から坊も私もぐったり。
16:09発のバスに乗り、麓へ下りる。坊は5分と経たないうちに寝てしまう。
観光センターに到着し、剣ヶ峰の登山はこれにて終了。
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そして坊が聞いてきた「パパはどうして山に登るの?」
私は答えた、「そこに山があるからさ」なんつって。ウソです。
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そして本日のお宿、白骨温泉の小梨の湯笹屋へ向かう。
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