何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

円融寺-(1) (東京)

2012年07月01日 | 寺社巡り-東京

【東京・目黒区】平安時代仁寿三年(853)、慈覚大師円仁により天台宗の寺院として創建され、草創当時は法服寺と号した。
鎌倉時代の弘安六年(1283)、日蓮上人の高弟・日源上人によって日蓮宗に改宗され、寺号も法華寺と改められ、以降、江戸時代中期までの約400年間、日蓮宗寺院として歩み、江戸時代初期の最盛期には坊舎18を有し、末寺75ヶ寺を数える規模の大寺に....。 しかし、江戸時代寛永七年(1630)頃から台頭してきた日蓮宗不受不施派に属したため邪教とされ、幕府から弾圧を受け、法華寺は取り潰しになった。

桜の季節に訪れた円融寺....閑静な住宅街にひっそりと佇む袖塀のある山門から、狭い参道の奥に仁王門が見える。 数段の石段を上がり仁王門に近づく...静謐な境内に古色蒼然たる佇まいの古刹という雰囲気を感じた。 約450年前に建てられた仁王門の両側に、黒仁王と呼ばれる金剛力士像が安置されているが、ガラス張りの中で少々窮屈そうだ。
仁王門をくぐると少し奥まった正面に入母屋造銅板葺の荘厳な釈迦堂が....優美に大きく反った軒と古びた桟唐戸に、暫くの間、うっとりと見惚れてしまった。

山門..天保4年(1833)建立,昭和26年(1951)に品川御殿山の原邦造邸から移築
 
境内参道..奥に仁王門、仁王門は金剛力士像と同時期の室町時代後期の建立

仁王門は檜と欅を用いた簡素な構成で唐様建築に和様を取り入れている

仁王門
 
仁王門には室町時代永禄2年(1559)作の木造金剛力士像(黒仁王尊と呼ばれる)が安置

仁王門を通して眺めた釈迦堂

仁王門から眺めた境内..静寂に包まれている
  
釈迦堂..室町時代応永年間(1394~1428)の建築、単層入母屋造銅板葺

釈迦堂は東京23区最古の木造建造物
 
典雅な軒の反りは室町時代初期の様式を伝える        阿弥陀堂側の石燈籠越しに見た釈迦堂

釈迦堂..唐様建築に和様を取り入れた優美な様式

釈迦堂正面3間の扉は全て桟唐戸
  
釈迦堂の高欄には疑宝珠が逆蓮柱になっている(唐様)が蕨手にしていない(和様)

屋根裏の垂木は和様の平行垂木で組物は唐様の詰組
 
釈迦堂側面4間の正面側1間は桟唐戸に             釈迦堂越しに眺めた仁王門
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