何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

十輪寺 (木津川)

2021年05月12日 | 寺社巡り-京都

【京都・木津川市】創建時期や由緒は不詳だが、寺伝では、奈良時代の華厳宗の僧・良弁上人による開基とされるが衰退。 江戸時代の貞享二年(1685)、誓誉可清上人が念声山地蔵院十輪教寺として中興したとされる。 境内には鎌倉時代~安土桃山時代に造立された石造物が多くあることから古い寺院とみられるが、調べたが歴史や沿革は分からず。 宗旨は真言宗(智山派)で、本尊は地蔵菩薩像。

◆JR奈良線棚倉駅から歩いて5~6分ほどで住宅地の外れにある十輪寺の門前に着く。 境内に木々が殆んどなく、周囲に生垣や塀がないので開放的な伽藍だ。 山門はなく、数段の石の階の上に、門柱の代わりなのだろうかしっかりと造られた基壇の上に石燈籠が置かれている。 そして境内右手に立つ古そうな十三重石塔がまず目を引く。 正面に建つ流向拝の本堂は、中央間は舞良戸で内側に腰高明障子を設け、脇間は白壁が多いので古民家を感じさせる趣だ。 本堂右手に小棟造りの小さな御堂が連なるが、真言宗寺院なので護摩堂なのかな。
砂利が敷かれた境内の東側に、柱部分がピンクで現代風の六注造りの舎利殿が建ち、その前に小さな御堂と最初に目に入った十三重石塔が立っている。 御堂の中を覗くと、右手に五鈷杵を持つ弘法大師空海像が窮屈そうに鎮座している。 十三重石塔は鎌倉時代のものだそうで、初層軸部には二重円光形に彫り窪めた中に顕教四仏が薄肉彫りされている。 石塔を見上げると相輪が欠落している。 また、石塔のプロポーションに少し違和感を感じたので観察すると、上層の笠4枚が少し小さいようなので多分後補で、逓減を考えずに少し小さい多層塔の笠を積み重ねたのでは....と勝手に想像してみた。
舎利殿の北側に、鎌倉中期の造立で笠を失った石造り笠塔婆や、江戸初期の造立で二条線のない板碑形青面金剛文字庚申塔などが佇んでいる。 さらに本堂の右脇を進んで後方に行くと、二基の宝篋印塔を囲むように石造物(石仏、板碑、宝篋印塔、五輪塔、無縫塔等)がコの字状に整然と並んでいる。 風化が激しい上に破損や摩滅があって造立年が分からないが、室町時代のものが多く貴重な遺物と思うが、何故かいずれの石造物も文化財に指定されていないようだ。

△数段の石の階の上の両側に石燈籠....門柱の代わりなのだろうかしっかりと造られた基壇の上に立つ

△石段の上から眺めた境内....切石敷参道に常香炉が置かれ、その奥に流向拝の本堂が建つ

△寄棟造桟瓦葺の本堂....他堂宇を含めで再建され、平成十六年(2004)に落慶

△向拝左側に脇障子のような白壁で一間分が仕切られていて縁がない

△向拝と身舎の右側に縁を設けている....本堂前に置かれた露盤宝珠を乗せた宝形造り屋根を設けた常香炉/賽銭箱の上に紐が下がるが鰐口だったか

△本堂右手に連なる小棟造りの御堂....中央間は舞良戸、脇間は白壁の小脇羽目

△寄棟造桟瓦葺の御堂は、真言宗寺院なので護摩堂かな?

△境内の東側に建つ建物は、柱部分がピンクで現代風の六注造りの舎利殿

△舎利殿前に小さな御堂と十三重石塔が立つ

△鎌倉時代後期造立の十三重石塔....相輪が欠落、上層屋根(十~十三重部)は後補とみられる/初層軸部には二重円光形を彫り窪めた中に顕教四仏を刻む(写真は北面の弥勒菩薩像だったか)

△十三重石塔の傍に建つ切妻造桟瓦葺の御堂/右手に五鈷杵を持つ弘法大師空海像が窮屈そうに鎮座

△庭に鎮座する赤と白の前垂れをした笑顔の地藏石仏坐像/安土桃山時代 慶長十一年(1606)造立の舟光背形地蔵菩薩立像

△江戸時代寛永元年(1624)造立の板碑型青面金剛文字庚申塔....頭部に二条線はなく全体が縁取りされ、瑞雲・日・半月、種子、「南無青面金剛」が彫られている/鎌倉時代文永十一年(1274)造立で笠塔婆(頂部に笠を接合した枘がある)....塔身上部に二重光背形に彫り窪めて阿弥陀坐像を半肉彫り、その下に阿弥陀如来の種子「キリーク」を刻

△円形に彫り窪めた水穴の手水鉢

△本堂後方に二基の宝篋印塔を囲むように整然と並んでいる石造物群(宝篋印塔、石仏、板碑、無縫塔、五輪塔等)...室町時代造立の貴重な遺物が幾つかあるとのこと

△一部の隅飾突起が欠落した宝篋印塔....塔身四方の月輪に梵字が刻/宝篋印塔だが頂部の相輪が欠落したようで、代わりに五輪塔の宝珠と受花を乗せている

△宝珠が欠落しているが唐破風付き墓石(と思う)/板碑型の石碑/舟光背型五輪塔

△石柱に乗った五輪塔は一石造りかな?/舟光背型地蔵石仏....錫杖と宝珠を持つ/一石二仏や五輪塔などが少し埋められたように直置きされている

△本尊が地蔵菩薩像なので、石仏も地蔵尊像が多いようだ
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