何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

金山寺 (中国)

2016年07月17日 | 史跡探訪-中国編

【中国・福建省・福州市】福州市内を流れる閩江南港に浮かぶ水上寺で、宋代年間(907~1276年)に創建された古刹。 現在の堂宇は1934年に再建されたもので、狭い境内の中央に高さ約7mの八角七層の花崗岩製の石塔が鎮座し、塔前に観音閣、塔後に本堂の大悲楼が建つ。 石塔は宋代後期(700~800年前)の造立のようで、「金山塔」あるいは「千年宝塔」と呼ばれる。

閩江南港に浮かぶ金山寺を訪問するのは十数年振りで2度目だ。 バスを降りて船着き場に向かったが、開発が進んだ洪塘村には村を横切る道路が造られている最中だったので、道路を横断する所が見つからず難儀した。
洪塘渡口に着く....閩江南港に浮かぶ金山寺はまるで水上要塞のような光景だ。 金山寺に向かう船外エンジン付き渡し舟に乗ったが、船頭さんはエンジンを駆動せず、渡口と寺院との間に張られたロープを手繰り寄せながら船を動かした。 増水時や川の流れが速い時に船外エンジンを駆動させるようだ。
寺院に上陸し、拝観料を払って南面する観音閣に入る....がらんとした閣内だが、正面の「天后宮」の額の下に媽祖像が鎮座している。 媽祖像後方の外壁に大きな「佛」の字.....その前の堂宇に囲まれた狭い空間の真ん中に「金山塔」あるいは「千年宝塔」と呼ばれる多層石塔が聳え立つ。 大きな基壇上に基礎を据えた上に造立された八角七層の石塔は保存状態がよく、日本の鎌倉時代頃の造立で歴史を感じさせる。 石塔の直ぐ後方に本堂である大悲楼があり、須弥檀のガラスケースの中に阿弥陀三尊像が鎮座しているが、歴史ある古刹にしては意外に小さな仏像だ。
水面に浮かぶ珍しい寺院だが、都心からは少し遠く、またバスを降りてからの道もよくないためか訪問者は少ないようだ。

閩江南港に浮かぶ水上寺院の金山寺..後方の閩江南港に架かる橋は「洪塘大橋」
 
渡し舟の洪塘村の岸から眺めた金山寺..まるで川に浮かぶ要塞のような寺院
 
ズームして眺めた堂宇の甍と金山塔..金山塔の屋根に乗るのは相輪だと思うがごつい形状だ

まるで水上に浮かぶ要塞のような寺院

観音閣..屋根の大棟に2棟の龍と玉が乗る
 
側面軒下に「媽祖廳」の額が掲げられている/観音閣に祀られた媽祖像..「天后宮」とある

観音閣の後方の壁の「佛」の字..屋根上で2頭の龍が観音閣を守護している

堂宇に囲まれた中心に聳える金山塔の「千年宝塔」
 
大きな基壇上に基礎を据えて立つ「千年宝塔」は花崗岩製で7層八角..700~800年前の造立

軒角を窄めて反り上げ、軒下の角部に梁の端部のような出っ張りがある、各塔身に4つのアーチ型の窓を設けている

千年宝塔の後方に建つ本堂の大慈楼

大慈楼の須弥檀に鎮座する阿弥陀三尊像..脇侍は向かって右に観音菩薩、左に勢至菩薩
 
須弥檀の右手に鎮座する地蔵王菩薩像/須弥檀の左手に鎮座する目犍連導者

1870年に撮影された金山寺(境内掲示写真拝借)..西側対岸から撮られたもの

美しくライトアップされた金山寺(境内掲示写真拝借)
 
大慈殿に向かって右手にある恰恰堂(斎)      恰恰堂内に鎮座する三一教主像
 
大慈殿に向かって左手にある恰恰堂(斎)      堂内に鎮座する伽藍菩薩

龍鳳亭と境内に聳える大樟樹(市指定古樹名木2級)
 
金山寺への渡し舟が出る「洪塘渡口」/渡し舟は船外エンジン付きだが張られた綱を手で引いて動かす
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