何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

大福寺 (館山)

2015年12月14日 | 寺社巡り-千葉

【千葉・館山市】元正天皇(女帝)の養老元年(717)、東国を行脚していた奈良時代の渡来僧・行基により開かれたと伝わる。 その後、平安初期の天台宗の僧・円仁(慈覚大師)が来山し、堂宇を建築して中興したとされる。 真言宗智山派に属するが、天台宗から真言宗に改宗した経緯は不明。
境内の舟形山の中腹に崖造りの観音堂が建ち、本尊は崖面中段に石龕仏として浮彫りされた磨崖仏の十一面観世音菩薩で、「崖の観音」と呼ばれている。 江戸時代の承応二年(1653)2月に観音堂が火災に遭い、朱印・什宝・伝記等全てを失ったので、詳しい由緒などは不詳。 正徳五年(1715)に観音堂が再建され朱印も復旧されたが、明治43年の大豪雨による土砂崩れに遭って本堂が倒壊。 その後観音堂と本堂は再建されたが大正12年の大震災で倒壊、現在の観音堂は大正14年、本堂は昭和元年にそれぞれ再建された。

少し小高い山麓に鎮座する大福寺に着くと、境内や堂宇に朝日が燦燦と降り注いでいる。
珍しい崖造りの観音堂があるとのことで楽しみに訪問したが、ちょうど改修工事中で観音堂は足場と保護網にすっぽりと覆われていた...残念。 境内から本堂後方の舟形山を見上げると、古代の地層が露出した崖に朱塗りの観音堂が建つが、保護網の奥に薄っすらと見える程度で荘厳さが感じられない。
観音堂への参道が立ち入り禁止のため、墓所から近ずいて不動堂や石仏などを撮らせていただいた。

参道石段下から見上げた朝日を浴びている境内
  
松の木(?)が聳える境内土手の小さな祠に丸彫りの地蔵尊像が鎮座..江戸期のものだが造立年不詳

堂宇境内の全景(本堂と庫裡)..後方は船形山

入母屋造銅板葺の本堂..左上の船形山の崖に観音堂が建つ
 
延命地蔵尊像..無病息災延命長寿の御利益/簡素な本堂向拝だが堂前に一対の大きな蘇鉄の木が南房総の寺院らしい

虹梁上や木鼻などの装飾的彫刻が素晴らしい

虹梁に巻き付いた木鼻の龍が見事
  
崖の観音(観音堂)への参道/参道脇に立つ江戸後期造立の「木喰の碑」(八字名号石柱)/参道入口に立つ大きな八字名号板碑かな

崖観音堂には石龕に浮き彫りされた観音菩薩磨崖仏が鎮座..改修工事は来年(H28)6月30日迄

望遠で何とか朱塗りの崖観音堂が窺える
 
境内の隅に佇む4体の石仏(丸彫り3体と舟形光背半彫りの地蔵尊像)と旧本堂の獅子口(と思う)/古そうな中央2体の地蔵尊像
 
崖観音銅への急峻な石段参道途中に建つ不動堂(通行止めで拝観できず)/崖窟に建つ不動堂
  
異形の五輪塔とみられる墓石/崖観音堂への参道脇に佇む地蔵尊石仏(造立年不詳)/日露戦争の碑
 
堂と庫裏の間にある玄関..貫中央に蟇股が乗る/正面に裳腰を設けた宝形造銅板葺の庫裏
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