日常のあれこれをそこはなとなく

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ペンチメント

2019-02-08 06:28:24 | 読書
脳科学者の茂木健一郎さんの小説『ペンチメント』を読みました。



大学生の沙織は、アルバイト先を探していました。恋人の武が紹介してくれたお店で働き始めます。お店の壁には奇妙な動物たちの絵が描かれていました。アインシュタインにそっくりな店のオーナーが自ら描いたものでした。けっして上手ではないその動物たちを沙織は気に入って見ているうちに、動物の背後に描かれた角のような物に気がつきました。人生の悲しみを一身に抱えたようなオーナーと沙織の交流、沙織と父や武との関係を描いた作品です。ペンチメントとは、イタリア語で後悔という意味だそうです。画家が一度描いた絵が気に入らなくて、その上に上塗りしていくことから来た言葉です。



もう一編、『フレンチ・イグジット』という中編も収められていました。それなりに成功している中年の友人達のところに、ほとんど交流のなかった高校時代の友人からパーティーの招待状が届きます。興味を持って行ってみると都心の真ん中に素晴らしい豪邸があり、実に豪華なパーティーが始まります。招待客は彼らの他にもいて、それぞれいわくのありそうなメンバー達です。ちょっとSFめいたこの作品では、人生の選択肢と運命について描いて行きます。

茂木健一郎さんの評論はいくつも読んできましたし、普段のツイッターで考えを発信していらっしゃるので、身近に感じていましたが、この小説では、また新たな一面に触れました。青春小説とも言える『ペンチメント』では、オーナーの後悔を語りながら沙織の内面を掘り下げて行くという見事なストーリーを見せてくれました。小説家茂木健一郎の次作に期待したいです。あ、『東京藝大物語』も読まなくちゃ。
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