『司馬遼太郎が考えたこと6』を読みました。



この時期彼は4年がかりで書いて来た大作『坂の上の雲』を書き上げた時期にあたります。自分でも書いておられますが、この作品はノンフィクションでもなく、小説からも外れている作品で、日露戦争を軸として、松山が生んだ3人の青年を描き出したものです。太平洋戦争に従軍していた司馬さんの戦争に対する、そして日本の軍部に対する思いは、原点に日露戦争での辛くも逃げ切った勝利にあったとすることが、この作品を書かせたのだと読み取れます。

京都での新聞記者時代の思い出や、幕末のいろいろな人物に対する評伝、戦国時代の面白い人物伝など、例によって博覧強記の盛りだくさんの中に、珍しくヴィンセント・ヴァン・ゴッホに関するちょっと長い文章がありました。愛を求めながら、誰からも愛されず、やむなく絵画の道に入った彼が、アルルの地で開花して、やがて狂気に囚われて自殺するまでを、丹念に描いています。僕はゴッホの絵が好きで、映画も見ました。この文章を読んで、またどこかでゴッホの絵に会いに行きたいと思いました。







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