ベンジャミン・スティーブンソンの『ぼくの家族はみんな誰かを殺してる』を読みました。
アーニーは犯罪小説の書き方を執筆している作家です。3年前に兄のマイケルがおこした犯罪の証言をして、兄は服役し、一家からは爪弾きの目にあって来ました。兄が服役を終えて出獄するタイミングで、一家の集まりに呼ばれました。場所はオーストラリアのスキーリゾートにあるロッジでした。叔母夫婦と母、再婚した母の夫、その夫の娘、それに兄の妻と、離婚寸前のアーニーの妻、そして刑期を終えた兄が集まることになっていました。
スキー場のロッジには、激しい吹雪がやって来ました。アーニー達が宿泊した翌朝、駐車場に見知らぬ人の死体が見つかりました。一見すると酔って外に出て凍死したように見えましたが、男性の口には灰が詰まっていて事故死には見えませんでした。さっそく呼ばれた警官は、何と刑務所を出たばかりの兄を逮捕してしまいました。
なかなか凝った設定のミステリーでした。ただ、これだけ複雑な設定なのに破綻はなくて面白く読めました。ただ、スキーロッジの乾燥室の描写で、スキー靴の紐という部分があって、この作者はスキーを知らないのだとわかりました。スノボのブーツだったら紐のタイプもありますが、スキーブーツで紐のタイプはぼくの子供の頃でもほとんどなくなっています。