日常のあれこれをそこはなとなく

料理、わんことの日々、海外ミステリを中心とした読書、ソフトバンクホークス、JAZZなどを書いていきます。

光圀伝と菜の花忌

2013-02-12 07:33:22 | 読書
冲方丁の「光圀伝」を読みました。



ご存じの通り、冲方丁は「天地明察」を書いた作家です。「光圀伝」は彼の歴史小説第二弾です。

言うまでもなく、光圀とはあの水戸黄門、天下の副将軍と言われた徳川光圀です。徳川御三家の水戸徳川家の二代目として、史料編纂などに功績があった人というのが一般的な認識です。前作の「天地明察」にも安井算哲の支援者の一人として出てきますので、その辺から着想を得て書かれた小説だと思います。

本当によく史料に当たって、光圀の人物像を描き出しているなあ、というのが感想です。徳川政権がどのようにして地盤を築き、あれだけ盤石の組織を作ったのか、また、貞享から元禄にかけての江戸の文化状況がどのようなものだったのか、良く描けていると思いました。僕は大学、大学院で江戸の俳諧を研究していましたので、この辺の事情についてはやや詳しいので、さすがだなあと思いました。

ネタバレになるので詳しく書きませんが、水戸に根付いた勤王史観というものがこの人に端を発しており、それが十五代将軍徳川慶喜に水戸DNAとして受け継がれたのだということがよくわかりました。

今日2月12日は司馬遼太郎の命日「菜の花忌」です。彼の作品「菜の花の沖」から取られた名前であり、ちょうどこの時期に菜の花が咲き始めることからつけられた名前だと思います。



僕が持っている「菜の花の沖」はこういう装丁ですが、ググってみてびっくりしました。



今の装丁はこうなのですね。一瞬コミックになったのかと思いました。「菜の花の沖」は好きな作品で何度か読み返しているのですが、僕のイメージとはちょっと違うかな? と思いました。今日は司馬さんの事を考えながらすごそうと思います。
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