退屈しないように シニアの暮らし

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さて何をしようか

幸福な世界 9

2015-08-26 11:21:57 | 韓で遊ぶ


お義母さんと一緒なら
「おばあちゃん、耳掃除してよ。」80近い義母が、体の大きな高校生の孫の甘え声に、内々待っていましたとばかりに、足を伸ばしてあげます。毎日、夜になると繰り広げられる、ほほえましい我が家の光景です。年ほどに熟練した年輪と、年の割には意欲があふれ家族に幸福を与えてくれるお義母さん。
歳月が流れても変らない腕前で、味噌やコチジャンをおいしく作って、頭もしっかりしていて、勤勉で高齢にもかかわらず畑で作った新鮮な野菜を食べさせてくれます。
愛に満ちていて、孫の世話も良くしてくれますが、小さな動物も粗末にしないで、大事に面倒を見る優しい人が、家の義母です。
わが家には、毎日1個ずつ卵を産むニワトリが2羽います。庭の隅にレンガを積んで木の板で屋根を乗せて、、、。はたから見ると粗末な鶏小屋ですが、2羽は義母の愛を受けながら贅沢を味わっています。
雨が降れば臭いし、暑ければハエが飛んで、私の目には餌だけほしがる面倒な動物ですが、義母にとっては大事な子供以上のようです。わざわざ市場に行ってニワトリが好きな青物を拾ってきて、台所のまな板の上でトントンと、きれいに切って器に盛った餌を与えるほど熱が入っています。
「あれを見なさい。あの子達、ご飯をくれると思って見ているよ、、、本当に感心しないかい。」
「えっ、まさか、ただ見ているだけでしょ、、、。」
ただ、小さな命にも暖かく見守る義母の言葉に関心もなく答えましたが、義母が釜山の兄の家に行った次の日から、毎日毎日卵を産んでいたニワトリが、どうしたことか全く産まないのです。そんなことはないと思ったのですが、義母が家に帰った次の朝、まさかと思ったことが現実になりました。
2羽は、待っていましたとばかりにコケコッコと鳴いたと思ったら、7日ぶりに白い卵を産んだのです。
「お義母さん、お義母さん、ニワトリが卵を産みました。」
「そうかい。家のかわいいニワトリたち、苦労したね、、、、。」
誰かが偶然だと言いました。ですが、私はこの目で見て心で感じました。義母の広い愛が作り出した小さな奇跡を、、、、。
薄い胸に世の中のすべてを抱いている義母と一緒なら、日常が100倍楽しく1000倍幸福です。

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