退屈しないように シニアの暮らし

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さて何をしようか

幸福な世界 9

2015-08-30 11:47:58 | 韓で遊ぶ


親切の価値
寛大で情け深い父が、自分と瓜二つの息子と一緒に靴店に行きました。息子の17歳の誕生日に合わせて、プレゼントを買ってあげるためでした。形も色も機能も多様な数百の靴を見て、息子は目をキラキラ輝かせました。息子は慎重に見てよく考えたあげく、気に入った靴を選びました。
「わぁ、かっこいい。へへへ、お父さん、これにするよ。」
「そうか、、、。あの。この靴はいくらですか。」
「35,000ウォンですが。」
客が入って来ても見たのか見ないのか、何を聞いても上の空で、、、。父は、ガムをクチャクチャかみながら斜めに座っている店員が気に障りました。
「クチャクチャ、気に入ったならば2,000ウォンぐらいはまけてあげますよ。」
店員の無礼な態度に我慢し切れなかった父が、息子に断固として言いました。
「ここから早く出て行こう。その靴を早く脱ぎなさい。」
「えっ、どうしたの、お父さん。僕はこの靴が気に入ったのに。」
息子は残念な表情をしましたが、父は後ろを振り向かないでさっさっと店の外に出て行ってしまいました。息子も素直に父の後に従いました。道に出た父子は次の通りにある靴店に入って行きました。
「あった。へへへ。」
息子はそこで少し前に見たものと同じ靴を見つけました。
「その靴がお気に召しましたか。センスがいいですね。」
若くて印象が明るい店員は、客をまめまめしく尊重しながら、きわめて正しく応対しました。
「価格は35,000ウォンです。靴に問題がありましたらいつでも持ってきてください。すぐに交感いたします。」
客に対する言葉使いや態度が親切で優しい若い店員を満足げに見ていた父は、何も言わないですぐに靴の料金を払いました。息子は靴を持って店から出てきて、父に気になることを聞きました。
「お父さん、最初の店よりも2,000ウォンも高いのに、あえてこの店で買った理由は何ですか。」
父は笑いながら答えました。
「私たちは、この店で2000ウォンでは足りないぐらいの親切を受けたんじゃないか。残りがあっても決して損はしていない。」
お金では買うことができない、お金とは比較することができない親切な微笑みの価値、、、。父と息子は靴1足を買って、お金よりも値打ちがあり、もっと大切なものを胸に抱いて家に帰っていきました。

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