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退屈しないように シニアの暮らし

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さて何をしようか

泣かないで、花を見なさい

2014-08-26 06:30:49 | 韓で遊ぶ

風を憎む銀杏の木
風が嫌いだと言う1本の銀杏の木があった。元々木と風は親しい間柄だった。この幼い銀杏の木は風が少し吹いても顔をしかめた。
銀杏の木が故郷を離れどこかの街の街路樹として植えられた日のことだった。春風だったが肌寒かったので彼は身を縮めていた。
「家を出てきたことはうれしくもあり、怖い気もするな。」
彼は胸を広げて星を眺めながら出てきた故郷の家を思った。
「母さん、僕は母さんと暮らしたい。行くのは嫌なんだ。」
彼が母の手を離さないで、母にしがみつくと母は「行かないと大人になれないわ。」
と彼をなだめた。
「お前がここを出て行かないと大人になることができない。お前の兄さんたちも皆ここを出て行ったから美しい街路樹になったのよ。」
「僕は大人にならなくてもいい。このまま母さんのそばにいる。」
「お前はどうしてそんなに心が小さくて子供なの。夢を大きく持たなきゃ。私たち銀杏の木は何百年も生きるのよ。だから人間が子供を生めない時に私たちのところに来て祈ったりもするのよ。竜門寺という寺の前には千年になる古い木があるというわ。」
「私たちがそんなに長生きするの。」
「そうよ。だからお前もここを出て行って大人にならなければならない。大人にならなければ銀杏の木ということはできない。」
彼は大人になりたくなかったが、大人にならないと銀杏の木ということができないと言う母の言葉に従って人が運転するトラックに載せられある町の街路樹として植えられた。
「君、寒くない。」
横にいた友達が青く唇を震えさせながら声をかけた。
「僕も寒い。だけど星の光を暖かく感じて大丈夫だ。君も星を見てごらん。」
彼は友達にそういった後に眠ろうとした。ところが眠ることができなかった。いつからかだんだん風が吹いてきたからだ。「どこへ行ってもはじめから根をちゃんと下ろせば死なないで生き抜くことができる。」と母がよくよく念を押したことを思い出し、彼は根をちゃんと下ろそうと絶え間ない努力をした。
しかし、根は一晩では下ろすことができるものではない。土が彼をしっかりと包んではくれるが、まだ多くの時間と努力が必要だった。しかし、根を下ろす前に強い風が吹いてきて彼を揺らし始めた。
風はやまずずっと吹いてきた。彼はこのまま倒れて死んでしまうのではないかと思ってすごく怖かった。しかし、ただ、風に身を任せて自ら倒れないように我慢して耐えるしかなかった。幸いにも夜が明けて朝が来ると風はやんだ。
「風がやんだからもう大丈夫だ。もうこれ以上風は吹かないだろう。」
彼は朝の日差しに身を任せて安堵のため息をした。
しかし風は夜になると恐ろしく吹いた。
風が吹くたびに彼は根ごとを揺らされた。
「こんなに風が吹くのに、母さんはどうして家を出て行くようにいったんだろうか。」
彼は母が恨めしかったが、今は母を恨む前にまず、吹いてくる風に勝たなければだめだった。
「星さん、何とかして風が吹かないようにできないものか。君たち何とかしてみてくれ。」
「それはできない。私たちが夜空に浮かんでいてこそ生きていけるように、風もそうやって動いてこそ生きていけるのさ。」
彼はどうすれば風に倒れないでいれるかと思って可能な限り地の中に根を伸ばしておろそうと努力した。
しかし、いつも風が問題だった。風は枝に降り注ぐ星の光と日差しを落とし、鳥の追っ払ってしまったりもした。ある時には鳥が作り始めた巣までも落としてしまった。久しぶりの深い眠りについているといつの間にか眠りをゆするのはやはり風だった。それだけではなく風はビニール袋や紙くずのようのものを幹の下に山盛りに集めた。
銀杏の木がそんな風をいつも憎んだ。どうすれば風を捕まえることができるかと思い、一日たりともそれを思わない日はなかった。しかし、風は彼には捕まえられなかった。両手を広げてすばやく捕まえても風はいつの間にか1歩前で彼の手中をすり抜けていった。
「僕は風が憎くて仕方ない。どうすれば風を捕まえることができるだろうか。」
彼がそんな話をすると友達はいつもケラケラ笑うだけでした。
「いや、君たちは風が憎くないのか。私たちにこんなに苦労をさせるのに。」
彼は友達が笑おうとどうしようと風を捕まえようという努力を放棄しなかった。少し大げさに言うと、彼の毎日はどうやって風を捕まえることができるかと言うことに焦点を合わせていた。
秋が過ぎて道には落葉がはらはら落ちた。団扇のような彼の葉と小さな飴のような彼の実も黄色く色づいた。彼の友達は風が吹くたびに黄色の実と葉を落とした。少女たちが銀杏の葉を拾って本のページにはさんでキャッキャッと笑ったりもし、ある人は落ちた実を薬として使うと言いながらひとつひとつ袋に集めたりもした。
彼の葉ももはや根に戻らなければならないときが来たことを知って地に落ちるのを待った。彼の実もまた同じだった。木を離れてこの世のどこかでまた1本の銀杏の木になる日を夢見た。
あ、だけど一体これはどうしたことだ。どんなに待っても彼の葉と実は落ちなかった。友達の木は葉と実を落として初雪を待ちながら冬を迎えているのに、ただ彼だけが葉と実を落とさないでいた。
「お、冬なのに、何で僕だけが落葉しないんだ。一体どうしてこうなんだ。」
彼は体を無理やりに振ってみた。だけどどんなに体を振っても葉と実は地に落ちなかった。
そんな中、冬がやってきた。他のイチョウの木は葉を皆落として、寂しい枝だけが残っていたが、彼は依然と全身に葉と実がそのまま残っていた。
通り過ぎる人が不思議に思って彼を見てささやいた。すると、新聞記者が来て写真を撮って新聞に出ると、テレビ放送でも彼を写してニュースの時間に「落葉しない銀杏の木」があると報道した。
彼は一躍有名な木になった。多くの人が彼を見物しようと訪れた。彼は思い上がっていった。とても特別な存在になったと思った。しかし、友達はそんな彼をかわいそうな目で見ていた。「なぜ、僕をそんな目で見るんだ。」と言っても何でもないといいながらちゃんと答えてさえくれなかった。
「友達がなぜああなのだろうか。僕が有名になったから妬んでいるのか。」
彼は友達がなぜそうなのかわからずある日夜空の星を見ながら静かに考えにふけった。
その夜、彼はふと葉を実が落ちなければ春を迎えることができなくなる、春を迎えられないと結局死ぬしかないと言う事実を知った。
「そうだ、だから友達が僕をかわいそうな目で見ているんだ。一体この葉をどうしたらいいだろう。」
彼は深い悩みに包まれた。誰に助けを請わなければならないのかわからなかった。彼はどきどきした気持ちに、あんなに憎んでいた風に助けを頼んだ。
「すまない。風君、僕を許してくれ。君を憎んだせいで私がこうなったのはよくわかる。僕が悪かった。もう、僕を許して、僕の葉と実を落とさせてくれ。」
その日に限って風が吹かなかったが、夜が明けるまで懇切にそんな頼みをして、眠った。
次の日の朝、全身が冷たい感じがして起きてみると彼の葉と実が皆落ちていた。
「よかったね。私たち君をどんなに心配したか知らない。」
友達が互いに枝を伸ばして彼を祝福してくれた。彼は涙を浮かべた。
「風が強く吹くのは君を強くするためだ。風が吹かないと君は根が弱くなってすぐに倒れてしまうかもしれない。だけど、風がしょっちゅう強く吹くから、君は倒れないように深く深く根をおろすことができるのだ。それは皆風が私たちのためにしていることなんだ。実は、私たちは風に感謝しなければならない。風がなかったらこうやって成熟した大人になれないのだ。」
「そうか。そうだ。僕が馬鹿だった。」
彼は恥ずかしさで友達の手をさっとつかんだ。風がそっと彼の肩を撫でてくれた。

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