退屈しないように シニアの暮らし

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さて何をしようか

幸福な世界 2

2015-05-17 04:50:23 | 韓で遊ぶ


ある面接試験

またいつものように冬が来ました。
そんな中でも水銀柱がガクッと下がるという「入試寒波」。今日はまさに大学入試の日です。ラクダが針の穴を通るよりも大変だという試験の日、ある大学の面接試験場であったことです。
面接試験官たちは議論の末、試験の主題をその頃のもっとも大きな現実であるIMFにしました。すごく緊張したまま針の穴を通ろうとするラクダたちが順番に面接官の前に座りました。
面接官が質問をしました。
「座ってください。もし、お父さんが失業したらどうしますか。」
「はい、もし、父が、、、、。」
同じ質問が与えられ、受験生たちはそれぞれ誠実に答えました。
「私の父は、すでに失業しています。」
「はい、父を連れて旅行に行きます。」
「はい、もし、もし、失業したら、、私、私がお金、、お金を稼いで、、、、。」
受験生の答えは本当にいろいろでした。
淡々と経験を話す者もあり、その中には予想もできない質問に慌てる学生もいました。ですが、すべての面接官の心を動かしたのは、一人の女学生の小さくて落ち着いた答えでした。
「もし父親がIMF時代に仕事を失ったらどうしますか。」
女学生は、少し考えてから答えました。
「私は父が仕事を失っても、今以上に良くしてやる事も、良くしてあげないという事もしません。いつもと同じように父に対します。」
女学生は話を続けました。
「そして、父がまた仕事ができる日が来たら、そんな日が来たら、父が履いていく靴を、心を込めて磨いてあげます。子供の頃、いつも私がそうしていたように。」
意外な答えに慌てた面接官たちに、女学生は落ち着いて幼い頃の話をしました。
女学生が幼かった頃、よく父親の靴を磨いてあげたということでした。
「パパ、靴がきらきらするほど磨いたわ。」
「おやまあ、そうかお前は大きくなったら靴磨きになってもいいね。」
「ははは、、、」
パパが明るく笑いながら頭をなでてくれたことがとてもうれしかった、と言う女学生の答えは、面接官たちの心を打ち、胸をいっぱいにしたのでした。
うれしい時も、疲れて苦しい道も父と一緒に歩いてきた父の靴、父がきらきら光を放つ靴を履いて元気に出勤する姿を、もう一度見たいという女学生の言葉は、点数をつけることができないくらい価値のある明答だったのでした。

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