極楽鳥
彼は世の中に花として生まれた。それは彼が花として生まれ人間のために生かさせて暮れとお釈迦様に懇切にお願いをしたからだった。お釈迦様は彼をとてもかわいいと思い、彼が望む花に生まれさせてやった。
はじめ、彼は赤いバラの花に生まれた。人々が愛する人にバラの花を捧げながら愛を告白する姿が見てもいいので彼はまずそんな花になりたかった。
彼の願いはすぐにかなった。うららかな6月のある日、彼は背の高い青年の手に抱えられて一人の女性の家を訪問することになった。
「あら、いらっしゃい。」
女性は彼を受け取ってぱっと笑った。バラの花に生まれたことがまたとない幸福な瞬間だった。
しかし、バラの花として生まれたことが必ず幸福なことだけではなかった。バラの花を捧げても人の間に愛が成就しない場合もあった。
一度は男からもらった彼をゴミ箱に投げ入れた女性もいた。またある女性は人々が多くいる地下鉄駅の構内に彼を捨てたこともあった。彼はどんなに驚いたかわからない。しかし、もっと驚いたのはそうやって捨てられた彼を誰も拾ってみようともしないと言うことだった。ある男が捨てられた彼を拾おうとしたら、その腕を組んでいた女性が「拾わないで。それは事情のある花だわ。縁起が悪い。」と言った。
バラの花に生まれた彼は、そうやって人の足に踏まれながら悲しく死んでいった。清掃員のおばさんが彼をゴミ箱に入れるときにはバラの花として生まれたことがとても後悔された。
次の春、彼は貯水池がある田舎の土手の上に紫色のスミレとして生まれた。彼ははじめ、貯水池の水面の上にきらめく日差を眺めることだけでも幸福だった。時々日差しを含んだやさしい風が彼を通りすぎながら世の中に自分より幸福な花はないように思った。
しかし、だんだん時間が過ぎると寂しさを感じた。学校へ行く小学生たち以外には誰も彼を見てくれる人がいなかった。それに、彼にスミレと言う名前以外にも野蛮人花というあまり言い意味ではない他の名前がある事実が多少失望させた。
だから、次の春にはソウルのアパートに場所を移して咲いてみた。依然と誰も彼に関心を持たなかった。関心どころか芝を刈る機会の中に入ってスミレとして短い一生を終えてしまった。
その後毎年春になると彼は連翹、木蓮として、いろいろな花として生まれた。しかし、そんな花たちはなぜか彼が咲きたい花ではなかった。だから、ある年の春からはある詩人の家の春蘭として生まれひっそりとした香を抱きながらそれなりに満足した暮らしをしていた。しかし、彼の香を誰よりも大事にして好きだった詩人がある日急に死んでしまった。
彼はその詩人のためにどうしていいかわからなかった。長い旅にたつ彼の霊柩車を春蘭の香で一杯に包むこと以外には他にすることがなかった。
ところがその日、霊柩車がスーとあの世に向って走ったその日、どこから飛んできたのか全身に朱黄色を帯びた美しい鳥が1羽飛んできてずっと霊柩車の後ろに従った。
「君の名前は何と言うの。一体君はどこから飛んできたの。」
彼は鳥に近づいて行き続けざまに質問をした。
「私は極楽鳥と言います。遠い海辺の森の中で詩人の霊魂を慰めてあげるために飛んできました。死んだ人の霊魂を極楽へ導いてやるのが私の仕事です。」
「あ、そうなんだ。僕はだれだか言っただろ。どうかこの若い詩人を極楽へ導いてやってくれ。」
彼はそう言って、自分でも極楽鳥のような役割をする花に生まれたいと思った。
次の春、彼は人間の霊魂を極楽へ導くことのできる「極楽鳥」と言う名前の花として生まれた。そして、その後もずっと極楽鳥として咲いた。
今も斎場に置かれた花輪を見ると、白い菊の花の中に鳥のくちばしの形をした朱黄色の花が首を出している。その花がまさに彼だ。










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