退屈しないように シニアの暮らし

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さて何をしようか

幸福な世界 9

2015-08-23 11:52:08 | 韓で遊ぶ


幸せなメール
学校へ行こうとする娘をつかまえて小言を言ったのは、私の誕生日の朝でした。
「お前は、高3にもなるのに、なんでそんなに子供みたいなの。」
娘は一言の言い訳もしないで黙って聞いていました。私は気がすむまで小言をぶちまけました。
「ほかの人は勉強しようと明け方まで寝ないでいるのに、お前はそうやっていて大学にいけると思っているの。」
それ以上は我慢できなかったのか、悲しみに近い訴えをして、そのまま出て行ってしまいました。朝ごはんも食べないで。娘に誕生日のお祝いをしてほしかったのですが、残念ながら気まずくなってしまいました。この頃、勉強をせずに怠けてばかりいる娘の態度に腹が立って一騒ぎしたことが、午後の間、のどにひっかかったとげのように気になっていました。
「ふぅー。」
「お母さんは、そんなに私のことが信じられないの。誰よりも不安なのは私なんだから。高3だからと言って、他の子たちのお母さんは補薬を準備してくれたり、夜毎に車で迎えに来てくれたりするのに、お母さんはそうできないじゃないの。」
苦しい生活を考えて参考書も友達に借りて見ている娘が、、、、。
「苦労しているお母さんを考えると、私もしっかりと勉強をしたいのよ。」
娘が吐き出して行った言葉が、一日中、頭の中を離れませんでした。今、一番大変なのは受験生である本人でしょう。なのに、私は暮らしが苦しいという理由で、娘を暖かくつつんでやることもできませんでした。その日の夕方、家に帰ってきた娘の顔色を伺いながら、私は仲直りする機会を探していました。「ティン、トン。」と携帯電話がなりました。メールが来たのを知らせる音でした。何気なく見た携帯電話の中には鼻先をツーンさせるような気持ちがこめられていました。
「お母さん、誕生日おめでとうございます。ヒオンの友達、ヨンエより。」
その一通を始まりに携帯がなり続けました。
「お母さん、本当におめでとうございます。大好きです。ヒオンの友達、ミラより。」
そんな愛のメッセージが何と9本。娘のクラスの友達からもらった9回のお祝い、、、、。
娘が私にくれた特別な誕生日プレゼントでした。私はありがとうと言う言葉の代わりに娘をぎゅっと抱きしめてやりました。
幸福な人からは香りがするというでしょう。さわやかな草の葉のように香る娘に、私は愛し方を学びました。
コメント
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