退屈しないように シニアの暮らし

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さて何をしようか

幸福な世界 7

2015-07-08 09:37:15 | 韓で遊ぶ


忘れられない説教
ある大きな教会であったことです。
礼拝堂はお祈りをする人で、たちまちいっぱいになりました。青年が一人、人々の間をかき分けて入って来ました。
グジャグジャの髪、垢だらけのぼろぼろの服に、はだしの青年は、見た目にもみすぼらしいことこの上ありませんでした。彼を見つめる人々の顔には不快な色がありありとしていました。
席を探して周囲を見回した青年に誰も席をやろうとはしませんでした。
「うぅ、臭い。」
青年に向って、はばかることなく非難の言葉を発したりもしました。
「どうしてあんな格好で礼拝堂に来ることができるんだ。」
皆が、青年がもしや自分の前にでも座るかとひやひやしました。講壇の前まで行きましたが、座る場所を見つけられなかった青年は、どうしていいかわからず、いてもたってもいられませんでした。それで、仕方なく講壇の前の空いた空間に座り込みました。
その時、髪の白い老紳士が礼拝堂に入って来ました。すると、人々は青年が来た時とは違う行動を見せました。彼が座ることができるように、横に少しずつずれて座ったのでした。しかし、老紳士はゆっくりと杖を突いて青年の座っているところまで行きました。
「あの人、あの子に何か文句を言ったとしても、誰も非難することはできないわ。」
人々は、老紳士が神聖な礼拝の時間を乱した青年を厳しく叱ると思っていました。しかし、状況は意外でした。
「あ、あんなことができるのか。」
「どうしてあそこに座ることができるんだ。」
老紳士は青年を叱るどころか、その横に並んで座りました。
人々が空けてやった楽な席をすべて断って。その時、牧師が説教を始めました。
「皆さん、皆さんは今日意味深い姿を心に刻むことができました。私の説教がどんなにすばらしいと言っても、時間がたてばすぐに忘れるものです。ですが、今、見たあの老紳士の行動は、明らかに永遠に忘れることのできない感動として記憶されるでしょう。
皆さんは、青年の外見だけを見て、礼拝をする彼の敬虔な心までも取るに足らないと思ったのです。ですが、あの老紳士は黙って青年の横に座って、青年の決まりの悪い気持ちをなだめてくれたのです。100の言葉よりももっと大きな感動を与えることは、1回の暖かい行動です。
コメント
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