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退屈しないように シニアの暮らし

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さて何をしようか

幸福な世界 2

2015-04-26 07:02:51 | 韓で遊ぶ


最後のコンサート

ソウルのある大きなコンサート場で有名な歌手のコンサートが開かれました。
中年の夫婦のため特別に企画された、思い出のコンサートでした。予想通り4,50代の中年の男女が客席をいっぱいに埋めました。
舞台の上で歌手が熱唱をしている間、一緒に歌う人がいるかと思えば、目を閉じて思い出をたどる人もいました。
そうやって2時間のコンサートが大体終わる頃、女性歌手がマイクを持って客席に下りて来て、観客何人かと話をしました。
「このコンサートはどうしていらっしゃいましたか。」
「ただ、昔の歌が聞きたかったからですよ。」
「はい、私は若い頃からのファンです。」
それぞれにコンサートに来た理由を言っている間、歌手は列の一番後ろに座っている男女に視線が行ってしまいました。みんなが笑って楽しんでいるのに、始終粛然とした顔で座って、時々ハンカチで涙まで拭くみすぼらしい姿の夫婦、歌手はその人たちの所に近づいていきました。
「お二人は、私の歌が楽しくなかったようですが。」
皆がその人たちを注目しましが、その人たちは簡単には口を開きませんでした。
どのぐらい過ぎたでしょうか、男性がやっと口を開きました。
「実は、私たちは死ぬ前に、最後にコンサートでも見ようとここに来ました。」
人々は意外な言葉にびっくりしました。男性は、一言一言、長い事情をため息のように話しました。事業をしていたけれど不渡りを出して、逃亡生活をしていたということ、いつまでもそうやって悲惨に暮らすわけにも行かないと思って、所帯道具を全部処分して借金を払ったこと、そして残ったお金十万ウォンで、死ぬ前に好きだった歌手のコンサートでも見て死のうと券を買ったというのでした。
男性はゆっくりと言葉を続けました。
「ですが、いざ歌を聞いて見ると、生きたくなりました。生きて笑って歌を歌って、がんばって、また始めたいと思いました。」
そして、男性は涙を流して悔恨のため息をつきました。
男性は泣いて、歌手は喉が詰まりました。男性が尋ねました。
「私たち間違っていないでしょ。」
喉が詰まって言葉の出ない歌手は、息と整えて客席に向かって熱い拍手を要請しました。
夫婦は拍手の音に席から立ち上がり挨拶をしました。
「ありがとうございます。ありがとうございます。」
拍手の音は「よく考え直したね。がんばれ、、、。」そのように、そのように言っていたのでした。
コメント
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