退屈しないように シニアの暮らし

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さて何をしようか

泣かないで、花を見なさい

2014-08-24 05:11:28 | 韓で遊ぶ

大当たりの主人
シンさんは先祖代々受け継がれた小さな畑を売って金鉱の坑道ひとつを買ったことを後悔した。鉱山ではいくつかの重要な坑道以外は「分坑」と言って分けて売ったのだが、そこから金が出ると見てシンさんは畑を売って分抗を一つ買った。
シンさんは大当たりを掘ると言う多少荒唐無稽な夢だったがその夢を成し遂げるために一生懸命仕事をした。家で寝る日よりは金鉱で寝る日が多かった。他の人のようにつらい仕事をすると言って酒に頼るようなこともほとんどなかった。
「シンさんは大当たりを掘るはずだ。間違いない。見てみろ。あんなに一生懸命しているのにシンさんが掘らなくて誰が掘ると言うのだ。」
人々はまじめに仕事をするシンさんを見て、皆こう言った。彼の誠実性を見て何も言わないでお金を貸してくれる人もいた。しかし、天は味方をしてくれなかった。シンさんは3年、坑道を掘って行っているが金が入った鉱石一つ出てこなかった。隣り合った他の坑道からは時々大当たりを発見したと言う知らせが聞こえてきたが、シンさんにはそんな幸運が届かなかった。
シンさんはがっかりしたあまり体と心がだんだん疲れていった。酒を飲まなかったシンさんが酒屋に行くことがだんだん頻繁になった。もう大当たりを掘ることよりもあちらこちらから借りたお金を返すことが急務だった。
シンさんは悩んだ。心ではすべてのものを売り払ってすぐに借金を返したかった。だが、そうすることはできなかった。
「いや、私にはできない。やりとげることができる。」
シンさんは後一年一生懸命やってみようとまじめに穴を掘った。しかし、自ら約束した1年、何の所得もなく過ぎた。シンさんは残っていた田畑を売って急ぎの借金を返した。そしてまた1年一生懸命仕事をした。しかしその年も何の所得もなかった。
それでシンさんは自分が失敗したと言う事実を認めないわけにはいかなった。これ以上金鉱にしがみついていることは無謀なことだった。
シンさんは金鉱を売ろうと思った。金鉱は売りに出すとすぐに買い手が見つかった。隣に住むキムさんだった。シンさんとしては金も出てこない金鉱を買うと言ってくれた人がいることだけでもよかった。
ところが、シンさんが金鉱を売った後10日ぐらいたった頃だった。酒屋に行って酒を飲んでいたら、キンさんが大当たりを掘ったと言う話を聞いた。シンさんは驚いて杯を投げ出してキンさんのところに走って行った。
「なんだ、私が5年も掘っても出なかった穴からキンが出たとは、それは本当か。」
「本当です。これを見てください。」
キンさんは興奮した声でこぶしぐらいの金鉱石ひとつをシンさんに見せてくれた。
「仕事を始めて2日間で1mぐらい掘っていったらこんな大当たりが出てきた。」
シンさんは何と言っていいのかわかりませんでした。ただ呆然と自分が地の汗を流して掘った穴だけを眺めていました。あと1mだけ掘ればよかったものを、我慢できずに他の人に金鉱を売った自分があまりにも愚かだと感じた
コメント
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