地球を愛した星
夜空で星が光を放つことは星たちが互いに愛を分けあっているからだ。夜空の星の中で互いに愛を分け合わない星と言うものはひとつもない。北斗星は北斗七星を愛し、大熊座は小熊座を愛している。
もちろん地球と言う星を愛している星もあった。地球を愛する星の中に一番地球を愛している星は「花星」と言う名前のとても小さな星だった。
花星は小さいと言ってもあまりにも小さくて他の星たちは取るに足りないと思う星でした。それでも花星は大きな地球を見ると、なぜか胸がどきどきした。夜が過ぎて昼になっても地球に会いたくて仕方がなかった。だから昼の星になって眠らないで遠く寝ている地球を見ていたいと思った。
しかし、時間が過ぎれば過ぎるほど、眺めるだけでは耐えられなくなった。花星は耐えられずに北斗星を訪ねて行った。
「北斗星さん、私は地球を愛しています。私を地球に送ってください。私は地球に行って暮らしたいのです。」
北斗星は花星の気持ちをすぐにわかってやった。誰かを本当に愛するようになると一緒に暮らしたくなるということは北斗星はすでによく知っていた。
「そうか、お前は地球に行って暮らしなさい。地球の青い海の中に暮らしながらいつも地球を愛しなさい。」
北斗星は花星を地球に送った。
私たちが暮らす地球には今もその花星が深い海の中に暮らしている。ヒトデの中にも完璧な青い模様をしているヒトデ。それは元々夜空を彩る美しい星のひとつだった。