蕎麦喰らいの日記

蕎麦の食べ歩き、してます。ついでに、日本庭園なども見ます。風流なのが大好きです。

仁科神明宮  大町市

2013-08-27 21:54:20 | 神社仏閣
国宝に指定される、日本最古の神明宮様式の建物である。


参道には特別に古い三本杉が並んでいたが、近年風でその中の一本が倒れてしまった。


奥深い森の中の、中門。その後ろの本殿まで全てが国宝に指定されている。
そもそもは、平安時代の終わりころに祭られた神宮だそうだ。


ところで、神明造りの神宮は伊勢神宮を始めとして全国に存在するが、式年遷宮という二十年周期の建て替えシステムを忠実に守っているため、建物自体の建築年代は新しく国宝に指定されているものはないそうだ。
ところが、この仁科神明宮はこれを管理する松本藩の財政悪化に伴い1636年以降は修理が行われただけで、建て替えは行われていないそうだ。その結果として、日本一古い神明造りの建物となり国宝に指定されたようだ。


根津神社 つつじまつり  文京区根津

2013-05-15 22:26:08 | 神社仏閣
つつじまつりの最終日に根津神社を訪れた。


ツツジは花もちがよくて、それらしい姿を見る事ができた。


次々と立ち並ぶ鳥居の列が、神秘的な空間を演出する。


ツツジ苑側からは、鳥居の頭だけしか視界に入らない。


この場所は、神社となる前は徳川綱重の屋敷であったそうだ。
平地部分にある社殿や楼門の周りに、柔らかい傾斜の外庭が配置される姿も、その由来を知れば納得する。


つつじ苑が公開されるのはつつじまつりの時期のみである。
ギリギリのタイミングであった。


熊野神社 八竜新田  南魚沼市 新潟県

2013-01-18 23:42:10 | 神社仏閣
雪に覆われた神社の姿は、なにか人をひきつけるところがある。
神社事態が由緒ある歴史を持つかなどとは関係なく、集落の規模に沿った小ぶりな神社が、雪に埋もれかけているようなのが、強い説得力を持つ。


魚沼に限らず、新潟の中にはそのような小さな神社は数限りなくあるのだろう。
しかし、この集落の雪深さはなかなかのものだと思う。
国道291号線をそれて、県道28号線の脇に位置する。


撮影した時にははしごはかかっていたが、人気は感じられなかった。
おそらく、何日もかけての雪下ろしの最中だったのだろう。


蔵六園 加賀市橋立町

2012-10-02 23:54:43 | 神社仏閣
加賀市のわずか西側に北前船の里、橋立という集落がある。船主たちの屋敷が集中する一画があり、明治初期には驚くべき富が蓄えられていた地区だそうだ。

玄関脇の主庭(お寺さんの庭とは方向感覚が違って、玄関のすぐ奥が主庭になっている)の直ぐの処に鞍馬の自然石を使った灯篭が立つ。ちょっと不思議に思っていたら、団体客相手の解説で、この庭の多くの石は江戸時代に藩の借金に対しての授かりもの、との位置付けだったという。
この石は、おそらくは城の格式高い処に置かれていた特別のものなののだろう。




この時間帯はたまたま訪問者が少なく、座敷でゆっくりと庭を見渡すことができた。
杉苔の手入れも見事。
海まで数百メートルにありながら、幽谷の趣、換え難し。




この庭は、非常に石灯篭の数が多い。
多くは、用立てしたものの代償としてもたらされた、との解説であったが、それにしては造りが新しいものが多いようにも感じた。


奥座敷からの眺めは、また全く別な世界を演出する。


表座敷の裏側にある裏庭は、八重葎茂れる姿をさらしている。
それが昔のすりガラスとの取り合わせがよい、籐椅子も、ぴったりの姿。


兼六園という名は、この石(立札のちょうど下の石です)を見た大聖寺藩主の前田公の命名によるという。亀は危機の際には両手両足、さらに頭と尻尾を甲羅に隠すところによるようである。


宝光社 戸隠神社

2012-09-25 22:10:31 | 神社仏閣
戸隠には神社が五社あるという。大概の参拝客は、県道36号線から直ぐの中社や、参道の杉並木が素晴らしい奥社を訪れるのだが、宝光社にお参りする人は今では多くはない。


入り口にある石塀が築かれた年代は分からないが、見事な格式を感じさせる。おそらく、社殿と同じ江戸末のものではないだろうか。


石段の手前にある狛犬。この先の石段の大変さを、警告しているように見える。


戸隠の神社の建物としては、最も古い時期(1861年)に建てられたものである。


狛犬からの石段は、この急傾斜。下りなど、ちょっと目が回りそうな感じまでする。鉄製の手すりのありがたみを感じた。


入り口の鳥居から外側を見渡せば、参道ははるか先まで続いている事が分かる。自動車を通すために、神社の目の前だけ参道を迂回させたが、おそらくそれは近年のことで、鳥居の下まで真直ぐの石段が築かれていたのだろう。
この参道を直線的に延長すると、宝光社を通り越して、九頭龍山や戸隠山へと至る。
昔からの山岳信仰篤き土地である事を実感する。


大法寺三重塔 青木村  長野県

2011-10-14 23:24:12 | 神社仏閣
14世紀前半の造営と思われ、国宝に指定されている。
国宝の三重塔は全国で13あるようだが、そのうち2つが長野県の上田平に造られたものである。


全くの素人目なのだが、それなりに歴史のある石組は、動物の姿をはっきり表している事が多い。
同様に、塔の場合は、赤い唇や白目をむいた姿が、明らかである。


塔の足元に近寄れば、そのような表情は全く感じられない。




晴れたり曇ったりの天候だったが、日の光は建物の凹凸を明確に示すとともに、構造をまでも露わにして教えてくれる。


信州の厳しい冬に耐えてきた年月が感じられた。


妙高関山神社

2011-08-10 23:21:56 | 神社仏閣
深い杉林に守られた、神秘的な神社である。


創始されたのは8世紀初頭との事だが、ともかく随分古くから信仰の対象となっていたのは間違いないと思う。
上杉一族は、この神社を厚く遇した。しかし、上杉亡きあとには、織田勢力により、灰燼に帰してしまう。


参道から振り返れば、妙高近くの中規模の山並みが望める。ここから、海岸線に至る越の国の信仰を集めた神社で合ったようだ。


それ程古いものが残されている訳でもないのだが、手入れは実によくなされている。




鮮烈な湧水が豊かで、それだけでも神秘的な場所であるように思われてくる。
石の廻りの苔やシダの姿も、素晴らしかった。




深い積雪を意識して、頬杖が常設されている造り。
正面の彫刻は、なかなかの姿である。




神社の隣には仏足席があるが、その上を小屋掛けされていて、普段はその姿を見る事はできない。
それ以外にも、不思議な展示物がある。


八海神社杉並木  新潟県

2011-07-15 21:47:52 | 神社仏閣
八海山は新潟県の南東、奥只見の山々への入口のような場所に位置する。
古くからの山岳宗教の霊山であったようだ。


平野の端にそびえる山で、登山道はいくつもある。この日は、屏風道近くの八海山神社を訪れた。
随分時代が付いているように見えるが、現在の参道杉並木は19世紀前半の干ばつ以降に植えられたものだという。


降り積もった杉の葉が、厚い絨毯のようなふかふかの感触である。
杉並木と言っても、整いすぎないところが、お上の事業ではない好印象を与える。


樹齢も長く、見事な杉の姿なのだが、杉林の中の小道のような親しみやすい印象を感じさせる何かがある。


武水別神社  稲荷山

2011-07-01 18:53:59 | 神社仏閣
起源は古く、孝元天皇の時代と伝えられている。
善光寺平の五穀豊穣と、千曲川の氾濫防止を祈念して建てられたという。




入口の太鼓橋は傾斜が非常に急だが、神様が渡れればそれで良いと、されたのだろう。


なかなか広々とした神社である。


鳥居の脇の松屋旅館が、また渋い味を出していた。

観音寺築地塀

2011-04-28 23:39:04 | 神社仏閣
谷中の観音寺の築地塀は、東京の中でも数少ない江戸時代からの姿を伝えるという。




屋根瓦のような土を焼き固めた材料を使った土塀である。
おそらく、部分的には同等に後の時代の手が入っているのだろうが、素材が素材なので後に手を入れた部分も、江戸期から残されている部分もあまり見分けがつかない。


傷みが激しい程、年代は古いのだろうとは想うのだが、それが塀の上下で逆転していたりする。


土塀の上には、立派な瓦の屋根が載る。


お寺の本堂も、それなりの年代のもののようだ。