きじとら小部屋

ねこちぐら きじとら猫の個人部屋

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

誰かに宛てた手紙 2006.8-2006.12

2006-12-20 23:19:41 | 短歌
ここの歌は某所に投稿した歌たちです。
全て「誰かに宛てた手紙」です。
「誰か」はあなたかもしれないし、私自身かもしれないし、不特定多数かもしれません。
「手紙」なので投函した時点で私の手を離れてしまったのですが
ここにアップしておきます。
面倒臭がりなので順不同です。


真名と仮名 響きの違うふたりだが寄り添うことにためらいはない

雨雲の最後のひとつが晴れたなら夏を抱えて迎えにゆくね

緊張の糸がもうすぐ切れるから寄りかからせてあなたの胸に

年下の君が放った言葉なら全面的に降伏します

苛立ちの波動を肌で感じつつあなたではない「誰か」を恨む

留守録のそっけない声聴きたくて留守を承知で何度もかける

危ねえな欠伸を閉じる瞬間ともうひとつ何?目を瞑るのは

「淋しい」を一目一目に編みこんだ青のマフラーあなたに贈る

「休めぬ」は思い上がりと言い聞かせ休暇届に日付を入れる

相手には火傷をさせぬつもりだが耐えられるのか自分の熱に

曖昧を許せなかった遠い過去 触れないことが心地よい今

バーチャルな甘さが少し欲しいだけリアルの恋は苦すぎるから

やわらかな秋の陽ざしにもう一度自分を好きになろうと思う

完全に武装しているつもりでも露出している部分が痛い

少しだけあなたを支えてみたいけど必要なのは私ではない

少しだけ私を支えて欲しいけど必要なのはあなたではない

言わなくていいことばかり口にする顔が見えない電話は嫌い

均衡を崩したくなる昼下がりデスクに響く電卓の音

この空が晴れるのならばいくつでもデスクの下のてるてる坊主

どのように打てば響きわたるのか君の大事なひとの名前は

ゆけばいい自分で決めたことならば背中は押してあげられないが

完璧に消しゴムかけたつもりでも残ってしまう「好き」の跡が

「おめでとう」ここにはいないあなたへとポストに入れた見えない手紙

なくしたと思っていたらまだあった燻っている嫉妬の火種

ハンドルを握っていたのは私だが隣が誰か思い出せない

手のひらに乗っかるくらいのささやかな幸せですがおひとつどうぞ

音を立て抜き身の私ふりまわす傷つけちゃったらごめんなさいね

コメント (2)