うんたま森のキジムナー

病院

宮古島市の人口の約10%が島外からの移住者。
この数字は住民票を移している人を対象にした
もので、住民票を移していない人を含めると、
その数はもっと多い。昼間に市内を歩けば、観光客は
もちろん島外から来られた方ですれ違う車も「わ」
ナンバーが多く、歩いていていても、店の従業員や
道ゆく人の大半が島外から来られた方だ。
夜の大通りを歩けば、人口の約10%と言う数字は
逆転して宮古祭りの日以外は、本土の街を歩いて
いるのとかわらない。

私が宮古島に来た頃は、本土出身者、いわゆる
「ナイチャー」と呼ばれる人は、まだまだ少なくて、
道を歩けば「ナイチャーでしょ」と声をかけられる
ことも珍しくなかった。本土から移住してきた者
同士も、ほとんどが顔見知りか、知り合いばかり、
今じゃぁとても考えられないことだ。移住してくる人の
多くが宮古島の自然や人、そして海にあこがれて来られる
ダイバーが多い。居酒屋をやっている人や、看護士さん、
宮古風キャバで働く女の子、みんなんが一つに集まれば、
ひとつの小さな町が出来るだろう。

宮古島の海に潜り始めて、かれこれ20年以上の月日が
流れ、漁業でもレジャーでもナイチャーでは古くから
潜っているオジサンになってしまった。
1泊2日の入院時にこっそりと誰にも知られないように
病院のベッドに潜り込んでいると、日焼けした
看護士さんに「キジムナさんでしょ」と声をかけら
れるし、何かと親切にしてもらえる。
カーテンをして隠れるようにしていても、
「こんにちは、私もダイビングするんですよ」と
若い看護士さんが顔をのぞかせる。恥ずかしいやら、
こそばいやら、知り合いも多いのでいつものように
「ねぇちゃん、どっから来たんや」と大きな声も
出せない。居心地がよく、居心地が悪い。もしも本当に
重い病気にかかって入院するときは、誰にも知られない
ような、海のそばに建つ真っ白な病院で、大きな窓から
海の見える部屋の横にあるベッドがいいなぁ

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