Selva esmeralda, el dia que me quieras

The hills are alive with the sound of music

奈良で学ぶ 寺院建築入門 海野 聡

2022-05-29 15:14:25 | 日記
まえがき

序章 寺々の建築と向き合う
なぜ奈良なのか?
平城京に林立する寺院
古建築から学ぶべき理由
「柱・梁・桁・棟木・垂木」のセットが基本構造
建築の基本構造と平面の拡大
屋根形状と柱配置
組物①手先の出ない組物
組物②手先の出る組物
平三斗と三手先の比較

第1章 鑑真の終のすみか、唐招提寺
鑑真の渡日と唐招提寺
塔と金堂の位置から何がわかるか?

金堂・講堂
大きな屋根と軒の出
中国風と日本風の違いはどこからくるのか?
吹放しの金堂正面
桁行七間・梁間四間が金堂の基本
細部からも分かる格式差
未来につむぐメンテナンス
講堂の履歴書
中備の秘密
移築された講堂

鼓楼・礼堂・僧房
僧侶の生活

第2章 移された白鳳、薬師寺
2つの薬師寺と2つの塔

東塔
失うれた薬師寺の建築を知る材料
塔への想い
「本当の柱」を隠した理由
アクセントを与える腰組
リズミカルな軒の出
どっしりとした塔とシュッとした塔
塔の深い軒の出を支える「通肘木」
薬師寺東塔と唐招提寺金堂の三手先
丸と角
木の性質を熟知した大工たち
東塔を造り上げた道具
天女の舞う相輪
立ち続けてきた東塔と再建された西塔

第3章 遷都始動、興福寺
興福寺の開創と平城遷都
興福寺の伽藍と長きにわたる造営

北円塔
宮殿を見下す位置
組物の秘密
大仏様・禅宗様
先端技術をあえて隠す

南円堂
中金堂よりも「重要」だった建物
拝所という仕掛け

五重塔
塔の垂直性と水平性
組物の進化
実は逓減の小さな五重塔

三重塔
他と工匠の系統が違う?
なぜ初重だけ組物が異なるのか

東金堂
屋根のボリュ-ム感
屋根が浮いている?
垣間見える奈良らしさ
東金堂よりも核上の金堂

第4章 聖武天皇の夢、東大寺
平城の東に現れた巨大伽藍
巨大建築の再建のための技術

南大門
門の違いに見える格式
垂直性の正体
側面から現れた構造
大仏様の要素

中門
存在感があるのに軽やか

転害門
奈良時代と鎌倉時代のハイブリッド

大仏殿 
巨大すぎた建築
巨大建築への挑戦

鐘楼
重源から栄西へ引き継がれた復興
大仏様と禅宗様のはざま

法華堂
拡大する仏堂
特殊事例ばかりの正堂
美しい構造

二月堂
燃えさかる国宝

大湯屋 
清浄を保つための空間

東塔跡・講堂跡・食堂跡
巨大な建築の面影

正倉院正倉
なぜ「のっぺり」していなにか?
開封権限は誰の手に

あとがき

木造建築を見直す 坂本 功

2022-05-28 19:04:36 | 日記
地震国の日本に最適といわれた木造建築に、
阪神・淡路大震災は大きな疑問を投げかけた。
ほんとうに弱いのか、
地震や風に強い木造住宅とはどんなものか。
唐招提寺金堂や東大寺大仏殿に見られる伝統の技と補強技術、
現代木造住宅のすぐれたポイント。
さらに世界の構法を紹介しながら、
木造建築のすばらしさと克服すベキ課題を考える。

はじめに

1 復活する大規模木造建築-空白期はなぜ存在したか-
復活の理由
代表的作品例
木造に求められる性能
構造性能
防・耐火性能(1)燃えるが熱には強い
防・耐火性能(2)木を燃えないもので包む
阪神・淡路大震災と木造建築
よい建築をつくる時代

2 天平の甍の秘密-日本の伝統構法のしくみ-
三十三間堂と屋根の支え方
軸組構法の発達
屋根や軒の支え方
唐招提寺の屋根
伝統建築の修理と補強
現代の補強
五重塔の耐震性
継手と仕口
木造と金物
現代に生きる伝統構法
間取りと畳の寸法

3 在来軸組構法-そのなりたちとしくみ-
構法の分類
在来軸組構法
軸組構法に部材と役割
基礎と地震
土台
火打

壁の部材
筋交い
胴差と軒桁
大引と床梁
部材構成の原理
たわみと傾斜
小屋組
屋根の形

4 世界の木造建築-多様性-
正倉院と宝物の保存
北欧から東欧はログハウスの宝庫
日本の現代丸太組
世界を席巻するツ-バイフォ-
日本独自の木質系プレファブ住宅
和小屋と洋小屋
壁は組構造でも屋根は木造

5 自重は小さく強度は大-木材の基礎知識-
木材と木質構造材料
木の種類
木の幹の構造
木には節があるのはあたまえ
含水率と木の性質
木の狂いと背割り
木の力学的特性-強さ、剛さ、粘り
製材-木質構造材料の代表
集成材-現代木造の主役
合板-厚手のベニア板
その他の木質構造材料-開発と普及が進む新しい材料
「集成材」は「木」か

6 現代木造住宅に余力あり-木造住宅の耐震性-
阪神・淡路大震災の被害
風による被害
木質建築の耐震・耐風のあゆみ
濃尾地震とその被害
関東地震と関東大震災
室戸台風による被害
福井地震と建築基準法
新耐震基準
地盤の揺れ方
建物の揺れ方と地震力
耐震設計の考え方
筋交いは木造耐力壁の主役
木造耐力壁の強さ
壁率計算
「関東地震でも大丈夫」の意味
新耐震基準と木造住宅の耐震性
余力の効果とその評価
構造計画(=間取り)の重要性

7 木造住宅を診断する-耐久性・地盤・耐震診断の基礎知識-
構造を調べる
木造住宅の老朽化-不朽と蟻害
耐久性を確保する条件-いかに水を遠ざけるか
シロアリ対策
地盤調査(1)土の種類
地盤調査(2)地層の種類
傾斜地の造成
地盤の見分け方
建物の耐震診断
専門家の約束事

8 さまざまな課題-木造建築は現代社会の鏡-
木材資源
割りばしと省資源
解体・リサイクル
省エネと高気密・高断念
高密度と健康問題
職人問題とプレカット
日本の伝統文化と地域性
木造建築研究フォラムと木造建築の課題

あとがき



木の文化と科学 伊藤隆夫 編

2022-05-26 19:47:42 | 日記
はじめに

第1章 木の文化と科学
木の文化
樹種の同定
遺跡の木
仏像の木
古建築の木
正倉院の木
埋没林
木の文化を科学する

第2部 遺跡と木製品
第2章 原始・古代における森林資源利用の諸相
考古学から見た森林利用
太い木を割って使う技術
大きなものを運ぶ技術
縄文時代の木工技術
製材技術と大径木利用のはじまり
木材資源の利用特質-木製品製作の一括性
木材を効率的に使う工夫

第3章 遺跡出土材に見る針葉樹材利用の歴史
遺跡と森林植生
先史時代の木材利用
クリの利用
縄文時代の木の利用
針葉樹三国時代

第4章 木の肌ざわり-風合い-
工芸としての木
木工芸の流れ
木工の技法のあれこれ
轆轤細工
指物
彫物
木工芸のこれから

第3部 仏像の木
第5章 日本の木彫像の樹種と用材観
日本の仏像と素材
飛鳥時代の木彫刻
奈良~平安時代初期の木彫像
一木彫像の成立
木片採集について

第6章 中国由来の仏像彫刻の用材
日本の仏像彫刻の用材に関する研究-始まりと現状
なぜ、クスノキが日本最初の仏像彫刻に使われたか
クスノキからカヤ・ヒノキへ
中国の仏像彫刻の樹種同定
サンプリング プレパラ-トの作製法
今後の展望

第7章 御衣木について
日本の仏像は木彫像
日本の仏像制作の歴史
神代の依り代
香木の仏像

第8章 日本の木彫像の造像技法-一本割矧造りと寄木造りを中心に-
日本彫刻と木彫
木彫像の造像技法
一本割矧造り
結び

第4部 古建築の木
第9章 視点の転換-塗装技術研究からみた日本建築の姿-
視点
装飾面から見た日本建築の流れ
素木建築は果してすべてが素木か?
日光建築の本来の姿
ブル-ノ・タウトと日光東照宮

第10章 なぜ法隆寺は千三百年たち続けろことができたのか
伽藍造営には四神相応の地を選び
伽藍造営の用材は木を買わず山を買え
元口と末口か
旧の8月の闇夜に切れ
五重塔造営に必要な木材量
木組みは寸法で組まず木のくせを組め
芯仕事と面仕事

第11章 木材の老化を考える
古都と歴史的建造物
木材の老化とは?
仏師の言葉に学ぶ
仏師曰く「新材は重く、古材は軽い」
仏師曰く「新材は粘るが、古材はさくい」
仏師曰く「新材は明るいが、古材は暗い」
仏師曰く「新材用の鑿の刃先角は大きく、古材用の刃先角は小さい」
身近で遠かった「古材」
建造物解体修理現場と古材の収集
古材の物語

おわりに



森と木と建築の日本史 海野 聡

2022-05-24 20:37:35 | 日記
衣食住から信仰に至るまで、
日本の歴史とは、
木とともに歩んだ歴史であるといっても過言ではない。
森のめぐみを享受した先史時代、
都城や寺院などの大量造営が展開した古代から、
森との共生を目ざす現代まで
-建築のみならず流通にも着目し、
また考古・民族・技術などの知見も駆使して、
人びとが育んだ「木の文化」を描く。

序章 日本の森林と木の文化
木が作りあげた文化
巨木信仰
巨木の運搬にみえる信仰-諏訪大社
木々への畏敬
建築から木の文化をとらえる

第1章 木と人のいとなみ
1 森林と人とのかからり
森林の利用
採集と栽培
2 生活のなかの木材と森林の変化
生活のなかの木々
山と海をつなぐ薪
3 木の特性を知る
広葉樹と針葉樹
日本の植生
木の繊維方向と木材の材料特性
4 木を加工する
木工道具の基本構成
描かえた造営現場や大工道具

第2章 豊かな森のめぐみ-古代
1 豊富な資源が可能にした大量造営の時代
山から木を得る
材料に頼った建築
大量造営の時代
板葺から檜皮葺へ
檜皮の採取と檜皮葺の請負
2 産地から現場まで-どのように運ばれたか
杣から現場への運搬
木材の運搬と運動の酷使
流通からみた材の規格化
3 適材適所の利用-各地の事例から
硬いケヤキの利用
コウヤマキと百済へも輸出
ヒノキ以外の用材
ヒノキの植生限界と古代東北の建築
仏像にみるビャクダンとクスノキ
クスノキの巨木と十一面観音立像
4 木の特性を熟知していた古代人
木口斗
桶と樽

第3章 奪われる森と技術のあゆみ-中世
1 巨材の減少-大仏殿造営からわかる資源枯渇
東大寺大仏殿の再建と材木探し
東大寺南大門の材の規格化
巨材の夢のお告げ
長谷寺の観音立像の御衣木
方広寺大仏殿・伏見城と秀吉の造営
2 進む利権化
寺社・権門の杣と地頭の台頭
材木座
3 樹種を使い分ける
森林環境の影響と多様な樹種
修理における樹種の選択
4 革命的な道具の登場
ダイガンナによる精度の向上と引き戸
縦挽きノコの登場と板製材
5 海をわたる木材
輸出される木材
輸入される木材

第4章 荒廃と保全のせめぎあい-近世
1 消極的保全から積極的保全へ-修験保護の模索
消極的保全と積極的保全
幕領と尾張藩の森林管理
諸藩と琉球王国の木材経営
2 大火がもたらした流通の変化
明暦の大火と河村瑞賢
奈良屋茂左衛門の知恵
開運と木材流通
3 広がる樹種の選択
ケヤキの利用と諸寺の復興
数奇の隆盛と銘木
北山杉-銘木の生産
4 信仰を受け継ぐために-御杣山と神宮備林
伊勢神宮のための森
御杣山の移転
遷宮の中断と御杣山の木曽への移転
御杣山と建築祭儀
森林の育成による共生-持続可能な式年遷宮への取り組み
5 巨材の探索と技術革新
公慶の東大寺大仏殿再建と集成材
虹梁の巨材探しと運搬

終章 未来へのたすき-近代から現代
1 今もつづく運搬の苦労
東本願寺の大材
姫路城大天守の大柱
長材の運搬への配慮
平成の興福寺中金堂の木々
2 木材不足から紡ぐ森林へ
タイワンヒノキの輸入

薬師寺の復興
ふるさと文化財の森システム推進事業

3 おわりにかえて

あとがき

五重塔はなぜ倒れないか 上田 篤 編

2022-05-24 19:52:36 | 日記
五重塔は、
昔から地震で倒れない、といわれつづけてきた。
しかし、これまえ、
その理由について明快に説明されることはなかった。
今回、建築家、建築史家、建築構造家たちが論じあい、
ひとつの結論が浮かびあがった。
それは「五つの帽子を積みあげたような五重塔は、
地震のときスネ-ク・ダンスをするが、
真中をと通っいる心柱がその乱れを抑え、
しだいに振動を弱めていく」
というものだ。

序 謎の建築・五重塔
1 五重塔はなぜ倒れないか
2 中空と心柱
3 通し柱がない
4 キャップ構造
5 ヤジロベイ
6 心柱の鞘堂
7 地底から地上そして空中へ

1章 中国の塔に心柱はなかった
1 はじめに(中国的風土と木造建築)
2 仏塔
3 中国の仏塔
4 応県木塔
5 中国の塔と日本の塔

2章 韓国の塔の蘇塗柱・刹柱・心柱
1 仏教の黄金時代
2 塼塔・擬塼石塔・石塔
3 木塔
4 俗離山法住寺別相殿
5 雙峰寺大雄殿
6 木塔の構造
7 刹柱
8 幢竿
9 蘇塗柱とその起源

3章 日本の塔の組上げ構法
多重塔
基本構造
新しい組上げ構造
心柱の立て方
細部の補強工作
建立後の修理・改造
構造と意匠の関係
中国木塔との相違

4章 ハ角九重の幻の塔

5章 木塔を解体してみると
Ⅰ 文化財建造物の保存修復
Ⅱ 木塔の構造補強
Ⅲ 木塔の構造補強の実例について

6章 心柱を科学する
1 序
2 心柱の変遷と旧心柱説
3 動きの要素と力学モデルの設定
4 均衡ある動きの発見
5 結語

7章 木造古塔の心意気
1 古建築の美しさ
2 塔の構成
3 木塔の中の力の流れ
4 木塔のデザイン
5 木塔の耐震性
6 むすび

8章 柳のような超高層
柳のようなしなやさと匠の知恵
柔剛論争と塔・超高層建築
現在に生きる塔・柔構造のコンセプト

9章 五重塔と現代建築(対談)
柔剛論争のゆくえ
コンピュタ-時代へ
閂論とスネ-ク・ダンス
日本の伝統的な科学
生(き)なりの文化論

あとがきにかえて