「新国立競技場の提案書」から 日本らしさを配慮した計画 Ⅰ

日本の伝統文化を，現代の技術によって，新しい形として表現する方策

日本建築の特徴を活かし，
気候・風土や景観と調和したスタジアム

・周辺環境を読み解き，先人の知恵を深化させた，日本らしいスタジアム

(1) 連続した軒庇の水平ラインと周辺の緑の深い陰影により，
周辺と調和した外観

①　外苑の環境と調和し，観客を迎え入れる軒庇
②　「和」を想起させる，縦格子の「繰り返し」のデザイン
③　梁と柱と開口で構成された「日本らしい」外観

(2) 「和」の特徴を備えた深い軒庇によって，
縁側のような涼しい快適なアプローチ空間を創出する
④　深い軒庇がつくり出す伝統的な「縁側空間」
⑤　観客の憩いの場となる「風の庭」，「風のテラス」

(3) 季節の風向きの合わせた「風の大庇」により，
スタンドの観戦環境を向上させます
⑥　スタンドに風を導く「風の大庇」
⑦　「風の大庇」の格子の幅で風の量を調整


日本の気候・風土・伝統を踏まえた木材利用の方策
日本の伝統敵な木構造の現代の技術で甦らせ，世界に発信

・木材と鉄骨の長所を生かしたハイブリッド構造により大屋根を構築し，
木の持つ温かな質感で観客を包む
(1) 国産木材の積極利用により日本が世界に誇るスタジアムを創る
　公共建築物における木材の利用の促進に関する基本方針
　　一般流通木材の活用
　　維持管理がしやすい
　　高耐久な仕様
　　長期保全しやすい部位に限定

①　森林の適正な整備・保全の推進
②　木材自給率の向上による林業・木材産業の活性化
③　全国から調達可能な中断面集成材

つづく