ネプツニウム発見の裏で

最初の超ウラン元素、ネプツニウムNpを作り確認し命名したのはマクミランだが（1940年）、フェルミは92番ウランに中性子をぶつけて（1934年）、93番・94番元素を作ったと信じていたという。また、仁科芳雄も90番トリウムを中性子で叩いてウラン237を作った（これはベータ崩壊して93番の同位体になるもの）という（1937年）。どちらも最後の詰めまで行かなかったが、93番ネプツニウムに関連する話として興味深い。

『元素創造　93～118番元素を作った科学者たち』（キット・チャップマン著、渡辺正訳　白揚社　2021年）を感心しながら読んでいる。知らないことばかりである。第7周期118番までの周期表（元素の名前もすべて書いてある、113番ニホニウムNhも）を初めて見た。